僕たちが帰宅をしたのは既に夜中の3時を過ぎていた
「ただいまー」
「ワンッ!ワンワンッ!!」
チャンドラが尻尾を振ってお出迎え
玄関のドアを開けるなりユノさんに勢いよく飛びつく
「チャンドラ遅くなってごめんなぁ~
お土産買ってきたぞ
ほら」
コンビニの大きな袋の中から
犬用のジャーキーを出してチャンドラに与える
「ワンワン♪」
「えらいですねチャンドラ
いつもこんな風にちゃんとお留守番してるんですね」
「チャンドラは律儀なやつでね
どんなに遅く帰宅してもこうして玄関まで出迎えてくれるんだ
こいつがいるから帰るのも楽しくなった。
前は帰宅するのも面倒で
職場の近くで野宿とかわりとあったけどね」
「野宿ですか??
家があるのに?」
「そう。
深夜まで仕事で次の日早朝って時もあるから
帰る時間勿体無いし
長く寝れた方がいいかなって。
俺どこでも寝れちゃう人だからアハハ」
「.........それにしても野宿っていうのは...」
ガサガサ
「あ、そうそう
明日というかもう今日だけど俺いないから
お昼はとりあえず豆腐と玉子とウインナーと…これとこれ
他にも少し買っておいたよ。
コンビニだから大したものは無かったけどね
これで適当に食べて」
コンビニの袋の中身は食材でいっぱい
無造作にテーブルに出して説明するユノさん
決してバランスはいいわけじゃなかったけど
インスタント物は僕の口に合わないと思ったのか
ユノさんなりの気遣いが感じられた
「.....こんなに沢山
本当にすいません」
「あとこれ」
「これは?」
テーブルに置かれた便箋と封筒のセットとボールペン
「何かと必要だろ?
その....電話繋がらなかったんだろ昼間...」
「あ....」
「まぁ色々あると思うけど
手紙ってわりと便利だったりもするから」
そう言って切手を添えて差し出した
昼間ユノの携帯に電話をして繋がらなかった事を
ユノさんは気にしていてくれてたんだ・・・
訳ありだと思っているんだね僕の素性を
ユノさん....優しいな.....
「あとね」
袋の底の方をモゾモゾと探ると
ユノさんはにっこり笑って
「はい
これはチャンミンと僕にお土産♪」
そう言いながらユノさんは
ビニール袋からアイスをふたつ取り出す
「ハーゲンダッツ嫌いじゃないよな?」
嫌いじゃないけど。。。。
・・・・・・・この真冬の寒い日にアイスって。。。
「チャンミンどうした?
ストロベリー味じゃないのが良かった?」
「あ、いえ
ありがとうございます!
う、うわぁ~冷たくて美味しそうだなぁ~」
「だろ!
真冬に食べるアイスは最高だよなぁ
寒いときに冷たいものを震えながら食べる!
やめられないよなぁ♪
暑いときに辛いものが食べたくなるだろ?
あれと似たような感覚っていうかな」
・・・・・・・ちょっと違う気がするけど
ユノのアイス好きは変わってないんだな。。。
窓から冷たい風が時々スーッと入ってくる
昼間ユノさんに真実を話そうとして割れた窓ガラス
ダンボールで応急処置はしたものの
冷たい隙間風が部屋に入り込み暖房があまり効かない
アイスを食べてはみたものの
お互い無言になり
僕とユノさんは震えが止まらなくなった
「......あの
やっぱ寒くないですか?
冬にアイスってハハハ」
「だな...アハーハーハー
ガラスすぐに入れてもらわないとな。。。
チャンミンはベッドで寝ろよ
俺こっちのソファーで寝るから」
「いえ、僕がそっちに寝ます!
ユノさん昨日も僕のせいでソファーで寝たんですから!」
「俺さ
ソファーで寝るのわりと好きなんだよね
ベッドってなんか落ち着かなくてさ。
だから普段もあんまりベッド使ってなかったし
別にチャンミンに気使ってる訳じゃないんだ」
そう言うと
ソファーの上にドスンとうつ伏せに寝転がる
「 .....あ....というかすいません僕
そっちに寝ますとか言っちゃって。。
勝手に泊めてもらってるのに.... 」
「気にするなって!
何ならずーっとここにいろよ」
ユノさんは突然何か閃いた様に
ソファーから勢いよく起き上がり大きな声で
「そうだ!
来週買い物行こう!
食器とかパジャマとか。。。うーんと。。
スリッパも必要だしなぁ~
あ、下着とかも揃えないとな?なぁ?
買出ししてガラス入れるついでに部屋もちょっと模様替えとかするか!
よっし!やる気出てきたぞーー」
「でも......悪いですよ...そんなの
それよりユノさん
もう休んだ方が良くありませんか?
明日早いんですよね?
あっ、明日じゃなくてもう今日か...」
「お、そうだな
9時には出ないとだな
少しは寝ないとまずいか
映画館で居眠りしたら困るしなアハッ
チャンミン風呂先に入っていいぞ」
「いえ
僕は後でいいですからユノさん先に」
「俺もう少しチャンドラとイチャイチャしてたいから
後で適当に入るよ
そこら辺に干してある服に適当に着がえていいから」
「何から何までほんとすいません....」
「いいからいいから!
風邪ひくなよ」
ユノさんの言葉に甘えっぱなしの僕
でもここでの僕はやっぱりユノさんだけが頼りだ
申し訳ないと思いつつも
その温かい気持ちについ甘えてしまう
バタン
お風呂から出て部屋に戻ると
既にユノさんはチャンドラと一緒にソファーで眠っていた
普段からあまり睡眠とってないのかも
疲れてるんだな…
ベッドから毛布を持ってきてユノさんにふわりと掛ける
安心した様にぐっすりと深い眠りについているユノさん
その寝顔はまるで無垢な天使の様で
ふと消えてしまいそうな儚さに僕はいきなり不安を感じた
ここに来てからの出来事が頭の中を過ぎる
自分の生まれる前の時代に迷いこんでしまうという
ありえない事実に気付かされ一日が終わろうとしている
最初はそのありえない事実を受け止めるのに必死で
他の事は何も考える余裕すら無かった
でもユノさんと過ごす事で僕の不安は少しづつ消えていった
冷静になって考えてみると疑問な点がいくつもある
ここでの未来は僕とユノが存在する
元にいた未来と本当に同じなんだろうか
ユノと同一人物であるここにいるユノさん
将来的に年齢は異なるとはいえ
世の中に同一人物の2人は存在しない訳で......
だとしたらこのユノさんは....
ユノさんの将来は一体どうなっているんだろう......
そしてもし僕が
元の時代に戻れる事があるとすれば
今のユノさんとの記憶は
あるいは消えてしまう様な気がした
ここでの出来事も全て無かった事の様になっていて
一生思い出す事がないとしたら・・・・・
テーブルに置かれたユノさんが用意してくれた便箋を開き
咄嗟に僕はボールペンを手に取った
そしてここに来てからの出来事をひとつひとつ思い出しながら
全て細かく書き留めておく
今の自分の感情も忘れてしまわない様に
どうして急にそんな気持ちになったのか
なぜなら自分自身ここにいる時間はそう長くはないと
なんとなく今の瞬間....
本当にただなんとなくだけど
そんな予感がしたから
もともと僕はここにいるべき人間じゃない
いつまたここからいなくなってもおかしくない訳で
そう予感した僕はこれからの事も全て
この便箋に書き留めておこうと思った
勿論ユノさんには決して見つからないように
僕の今の願いはただひとつ
このユノさんが実在していてほしい
..........でも
もしこのユノさんが将来実在していたとしたら未来にいるユノはあるいは存在していなかったかもしれない訳で.....
ううう…………
考えれば考えるほど分からない事だらけだ……
とにかく今は眠ろう……
少し緊張していて眠れるか心配だったけど
色々あって疲れていたせいか
灯りを消すと共に瞬く間に僕は深い眠りについた
愛のポチポチいつもありがとうございます!
更新の励みになってます感謝感激




この頃はメールとかも無かったから手紙とかでしたよね^^;;
ほんと便利な世の中になったものです(*´ー`*)
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風邪ひいちまった、鼻水止まらなくて、ちとやばいっす。
自分の意思とは無関係に流れ落ちるって、悲しいっす。
ミーグリ当選した方居るんですね、朝から何度もメールみちゃいました。
が、全く違うものばかりがスマホブーブー言ってました、とほほ。当選の方、強運の持ち主ですなあ。
そして、モモコ、チャンスニ、シムリーの三姉妹をツイで見て、3人とも可愛くて、ユノの好みは?。。
お話も、きっとシムが1985年に来た必然性があるのよねえ。
ちょっと仁を思い出しました。
P席アプリ今回もあったんですね、はやくiphoneアプリだしてちょ。
さんま玉緒のあなたの夢かなえます、録画したのを見ましたが、キムタクって、ヤッパリ凄いよ。昔、トンも出てましたよね。
ユノとチャンミンの2人の東方神起で出演して欲しいなあ。