きらびやかなネオンの灯り
人通りの多い賑わった街並み
ユノさんは黒いサングラスをかけて
ポケットに手を突っ込み颯爽と早歩き
その後ろから僕は小走りで着いていった
高層ビルの前でユノさんが足を止める
「職場ここですか?」
「そう
とりあえずここは2時間だけだから」
「え?とりあえずって....」
エレベーターに乗って
店の入り口の厚いドアを開くと
重低音のサウンドがいきなり身体にズシンと響いた
派手な無数の照明にミラーボール
フロアの壁の一面が鏡張りになっている
そこはいわゆるクラブをゴージャスにした様な場所だった
元の時代でも撮影以外クラブ未経験の僕は
その華やかさとディープな雰囲気に少し戸惑いを覚えながらも
物珍しげに周りをキョロキョロと見回す
「チャンミン?」
「あ、はい」
「どうした?
まさかディスコ初めてとか?」
「ここ、ディスコなんですか?」
「まじで?
チャンミンほんとにオタクなの?
いつも何して遊んでたんだ?」
「あ...
僕、、高校時代から仕事してたし...
こういうところで遊ぶっていうのは経験がなくて」
本当の事だった
芸能界に入ってから僕には
同じ年齢の友達と同様な青春時代は全くなかったから
「じゃ、せっかくだから
今日は遊んでいけよ」
「ユノさんは?
何処に行くんですか?」
「俺はあっち」
指差した方向は一段敷居が高くなっているDJブース
「じゃ、行ってくる
少し待っててね。
あ、チャンミン!」
「はい?」
「ナンパされない様に気を付けろよ」
DJブースに入るユノさん
この時代に流行ったであろうダンスナンバーを
次から次へと華麗なmixでプレイをする
ブースの前には物凄い人だかり
ユノさん目当てに挑発を仕掛ける女性で溢れかえり
熱気もピークに達していた
取り巻きの中
ユノさんが僕の方を見ながら煽るように手招きをすると
一斉に周りからは奇声が上がり
フロアは異常な盛り上がりを見せた
鳴り響くサイレンの効果音にレーザーライト
フロアに吹き上げられたスモークの煙
すごいや......
とてもその中に入っていく勇気が無くて
ユノさんのプレイが終わるまで
僕は入り口付近で待つことにした
すると背後から肩をたたかれ
「ねえ、黒服のお兄さん
これ私の家の電話番号
明日にでも電話して」
「は?」
振り向くとそこにはモデル並のスタイルの
髪の長い女性
大きく胸元の開いた
身体のラインがくっきりと出ている派手なワンピースに高いヒール
前髪をかきあげながら
自分の電話番号を書いたメモを長い爪に挟み差し出す
「あなた新入りよね?
なかなか私のタイプよ
いいわよ、付き合ってあげても」
付き合ってあげても....って
これってもしや僕、誘われてるのかな...
「あの、僕とあなたは今初めて会ったばかりで
その、何も知らない同士だし」
「は?だから何なの?
今から知り合えばいいじゃない
どう?これから他の場所に行かない?」
「他の場所ってあの.....
だから僕とあなたは今会ったばかりで」
「もう!めんどくさいわね
いい?この私が誘ってあげてるのよ?」
その時
女性の背後から肩を掴み睨み付けるユノさん
「やめろ
お前、黒服なら誰でもいいのか?」
「なによ
あなたに関係ないじゃない」
「ああ関係ないよ
でもこいつには手を出すな」
「なんなの?
この人とあなたとどういう関係?
私がどうしようと勝手でしょ」
「お前が誰と何をしようと勝手だ
でももう一度言う
こいつにだけは手を出すな」
ユノさん....
どうしたんだろ.....
あんなに怖い顔して....
「ばっかじゃない!」
女性はユノさんの顔をきつく睨み付けると
持っていたメモを投げ捨ててその場を去っていった
「あの......ユノさん
今の人は....」
「ああ....
見苦しいとこ見せちゃったな
あれは俺の元カノだ」
「え....
家を出ていったっていう...
あ、すいません」
「前はあんなやつじゃなかったんだけどな」
「家を出たのに
ここで毎日顔を合わせるんですか?」
「毎日ってことないけど
あいつさ....
俺の見てる前で他の男取っ替え引っ替えするんだ」
「え....
それって、わざと..ですか?」
「さあな
でも俺がそんな風にしちゃったのかもしれない....
言える資格もないっていうかさ
別れてから初めてだよ
こんな風にあいつに言ったのは...」
「もしかして
あの...もしかしてですけど
あの人まだユノさんの事が好きなんじゃ....」
「前にね...
あいつが部屋を出ていってしばらくして
ここで偶然に会って
もう一度俺とやり直したいって言ってさ」
「それで...
受け入れたんですか?」
「戻ってくるからには
今度は命を駆けろって俺はあいつに言った。
勿論、俺はずっとそういうつもりだったから
でも...」
「はい」
「結局は俺の方から別れを告げた」
「...もう
やり直す気はないんですか?...」
「ない。
三度めはもうないよ」
「ですよね....
僕なら...二度めもないと思います...」
「命懸けろって言っておいて
ひどい男だよな俺」
勿論、それだけの理由のはずがない
ユノさんの顔を見ていたら彼女がユノさんにとって
とても大きな存在だったのが分かる
二人の中には他人には分からない
深い経緯がきっとあったのだろうと思った
「こんな話....
人に話したのチャンミンが初めてだな俺
みっともないだろ? 」
顔色ひとつ変えようとせず
淡々と別れた彼女の事を話すユノさんが
妙に切なく思えた
「みっともないなんて...
全然そんなことないです」
僕は人目も気にせずにその場で
ユノさんの大きな肩にそっと手を回して
包み込む様に抱きしめた
そして耳元でこう言った
「ユノさんは....
ユノさんはいつも真っ直ぐすぎるだけです」
ブラックライトの中
僕とユノさんのひとつのシルエットが
鏡の中で滲んで揺れた
愛のポチポチいつもありがとうございます!
更新の励みになってます感謝感激
80年代ディスコ懐かしい(笑)
ちなみに私は当時は
渋谷ラ・スカーラやHIP-HOP、 S.I. Joe
六本木のqueueとかよく通ってましたね~
お話の中のディスコはマハラジャの様に
ドレスコードありの黒服やお立ち台のある
イケイケディスコのイメージです(^_^;
お正月
皆様満喫していらっしゃいますか(^_^)
お仕事の方もいらっしゃいますね。
本当にお疲れさまですm(__)m
前記事沢山のご挨拶どうもありがとうございました!
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YUNAさん、町内会の奥様方。
YUNAさんは、暑いバリで満喫できてますか。
毎日毎日、チャンミンに思いをはせてニタニタ状態ですか。
私は31日から1日にかけて、病院で年越しをし後輩たちと一緒に落ち着いた勤務だったので、喜んでました。
そして、2日は家族で地元の神社に行って娘の合格祈願してまいりました。
すごい人でしたよ。いつもはスカスカの神社だけど、お正月は凄く混んでました
4日まで休みなんで、もう少しのんびりしています。
今回の小説、やはり私達の昭和のいい時代ですね。
1985年の12月、私は24歳で結婚直前でした。(翌年の5月に結婚)
(年ばらしちゃいますが・・・)
こっちでも、ディスコ大はやりで私は19歳の頃から週1位で通ってました。
かなり目立ってたと思います。デュフ。ナンパもかなり・・・
こっちは、「ブラックバード」とか「最後の20セント」っていうディスコでしたね。
大学生で勉強して、週末はお友達と過ごして。。。正に青春そのものでした。
楽しかったなあ。
さてさて、今回の小説、ユノの元カノが出てきて、ユノがそれを話す時。。。
ヤキモチやきながら聞いてる自分がいました。
ユノは何に対しても真剣ですよね、恋愛にも。
1人の人を全力で愛して守っていく・・・絶対、ユノはそうだと思う。
だから、ユノに愛される彼女は幸せだわ。なりたいわ/////
おばかなおばさん、妄想 妄想 妄想
~~~~も・う・そ・う( ´艸`)ムププ~~~~
当時の黒服とか懐かしいです。
スタイルのいい2人は何着ても目立ってますね。
ユノはかっこ良すぎ。
なんか、今回の小説はユノの方が気になります。
実は私は昨日から、前回の妄想小説「僕がユノと呼んだ日」を1話から
読み直しています。
これから19話行きます。
読み返してて、もうはらはらどきどき。ニタニタ、エロエロ・・・・
2人のお互いを思う気持ちと、かっこよさ、そして、チャンミンのハナヨメに
デュフ、デュフなんですが・・・・
永遠に不滅です、この小説、私には。
単行本出ないかしら???
まあ、二女はもうすぐセンター試験ですが相変わらず、だらけています。
もうちょい、がんばっていい結果出してもらって笑って、2人でwithツアー行きたい私です。
長くなりましたが、ここでYUNAさんと皆さんに出会えて感謝しています。
東方神起に感謝です。
春が来たら、機会があったら私も町内会の打ち上げ会に参加したいです。
では、バリ満喫してくださいね
今年もよろしくお願いします(*゚▽゚*)