ユノさんの真っ直ぐな瞳に胸がドキッとした
僕は・・・ここで一体何してるんだろう
早くかえらなきゃ....
「あの、すいません
電話借してもらっていいですか?」
「ああいいよ
自由に使って」
初めて見るアンティークな電話機を
横から縦から物珍しそうに見てると
「なんだ?
電話お前んちないのか?
そんなに珍しいこれ?」
「はい
電話機ってあんまり最近こういうタイプのは見ないかなって。。」
「そうか?
これわりと新製品だけど?
家に電話ないんじゃ公衆電話とかかぁ。。
不便だなそりゃ」
「いえ、携帯持ってますから」
「携帯?
あぁ~~~
ショルダーホンの事かぁ
あれ重いし持ち歩くのひと苦労だし
それだったら公衆電話の方が使えるかもな
テレカいっぱい持ってるからあげようか?}
テレカ・・って・・・
ショルダーホンって携帯会社の事なのかなぁ・・
「あ、すいません
とにかく電話お借りします」
スマホのアドレス帳を頼りにいつもかけているから
実は自分の番号さえ覚えていない
唯一番号を暗記しているのはユノの携帯のみだった
でも
何度もかけてみるけど
電話の向こうから聴こえてくるのは
「おかけになった電話番号は現在使われておりません」
なんで・・・
「どうした?
出ないの?」
「はい....
おかしいな...
携帯番号かえるはずないんだけど....」
その時
ふと目に入った電話の横にあった新聞紙
そこには「85年の出来事」と大きく書かれてある文字
日付を見てみると1985年12月25日になっている
「ユノさん
この新聞...何でこんなに古いものが?」
「新聞?それ今朝のだけど?」
今朝って....嘘......
まさか....そんなことが...
冗談とかじゃなかったの?
僕は勇気を振り絞って聞いてみる
「ユノさん教えてください
今は2014年じゃないんですか?」
「いきなりどうした?
2014年って、そんな訳ないだろ
今は1985年に決まってるじゃん」
ここでようやく僕は
現状の重大さを自覚する
まーじーでーーーー一瞬息が止まりそうになった....
本当に....本当なんだ....
どうして・・・
タイムスリップしてきたとか?この僕が?
28年前の過去の日本に?
ありえない・・・
非現実すぎる・・・
映画やドラマじゃあるまいし・・
でも・・・・・やっぱり事実みたいだし
どうしよう・・・
泣きたい・・・
「チャンミンそんな泣きそうな顔してどうした?
なんか事情が色々あるみたいだな...
俺で良かったら聞くけど?」
.....話していいんだろうか
というか信じてくれるんだろうか.......
僕が2014年の人間だって事を....
「ユノさん....
信じてもらえないかもしれないの覚悟で話します。
実は僕、、2014年からここに来てしまっ....」
言いかけたその時
グラッと大きな地震がおきて
ユノさんの足の上にテレビがズシンと落ちてくる
「ユノさん!!!」
「いってぇ・・・・」
「大丈夫!!!怪我してない?」
「うん大丈夫だ
両手で抱えたからちょっと膝打っただけで済んだ」
「膝、痛くないですか?」
「これくらい平気だって!
それにしても一瞬だったけど大きかったな地震
びっくりした~
チャンミンも大丈夫?」
「あ..僕は何ともないです」
「そっか良かった
ごめん話の続き聞くよ」
再度僕は話し出した
「その...僕
実はこの時代の人じゃなく...」
話の続きをしようとしたその時
部屋の窓ガラスがいきなり割れて
ユノさんの顔面めがけて破片が飛び散る
「ユノさん!!!」
咄嗟に身を動かし両腕で顔面を庇うユノさん
ガラスの破片はバラバラに下に落ちた
「チャンミン大丈夫だったか!?」
「僕は平気ですけどユノさん痛くない?
どこも怪我ない??}
「俺、運動神経は悪くない方だからねアハハ
この通りピンピンしてるよ
しかしガラス随分な勢いで割れたなぁ」
反射神経のいいユノさんでなければ
飛び散ったガラスの破片はまともに顔に突き刺さり
大怪我をしていたところだろう
それにしても何でガラスが・・
「石でも投げ込まれたのかもな
前もそういう事あったよ
物騒な世の中だからな今は」
ユノさんはそう言ってガラスの破片をサッサと片付けて
ほとんど気にしてる様子は無かったけど
でも僕の胸には何かが引っかかって仕方がなかった
だって
石なんて探してもどこにも見当たらなかったから・・
そして僕は悟った
もしかしたら僕が今の時代の人間じゃない事を話そうとすれば
ユノさんに危険を及ぼす事になるのではないかと
「チャンミン
何度も話中断させちゃってごめんね
もう大丈夫
ゆっくり聞くからね」
「あ、いいんです
もう.....とにかく大丈夫ですから」
「そうか?
何か訳ありみたいだけど話したくないならそれでもいいし
言いたくなったらまたいつでも聞くからね」
にっこり微笑んだ横顔はあったかくて
知らない時代に来てしまった僕は不安でたまらなかったけど
ユノさんの存在はそんな僕の心を落ち着かせてくれた
でも....どうしよう....
僕はこの時代に生きなければならないのか
帰らなきゃ...絶対に帰らなきゃ...
僕がいなくなったらユノが悲しむよ...
その時、ユノさんに手首をグッと捕まれる
「え、何するの!離し...」
「手、怪我してるじゃないか...
さっきのガラスがやっぱり飛び散ったんだ...」
ユノさんから伝わってくる体温
手のぬくもり.....
あ.......
僕はハッとした
.
.....ユノ
....ユノだ.....
触れられた手から伝わってくる僕がよく知っている温かいぬくもり
間違いなくユノだった
そうだ手相.....
「ユノさん手のひら見せてください」
「え?手のひら?
いいけど何で?」
僕はユノの手の平の溝まで細かく知っている
別人であれば手相は異なるはずだ
「なんだ?
手相占いとか?いきなり変なやつだな~」
目を皿の様にしてじっくり指の1本1本まで見入る
「どうした?
俺、出世するか?アハッ
ん?チャンミン??」
ユノさんの手を持ったまま僕は固まった
身震いがした
その手の溝は紛れも無く
いつも一緒にいるユノと同一人物だった
愛のポチポチいつもありがとうございます!
更新の励みになってます感謝感激




さて明日は大晦日ですね!
皆様素敵な年越しを(^_^)v
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YUNAさん、バリではいかがお過ごしですか。
トキを超えて 6話連日の更新ありがとうございます。
まさに私の青春時代のお話で、良き昭和の時代。
普通に通じる私は、おばさんですが・・・
ほんと、ここまで出していただけると嬉しいですね。
ショルダーホンとか、懐かしすぎます。
確かに重くて使えなかった。。。。
うちはVHSにしておいて良かったなとか・・・
素晴らしい環境が、どんどん、お話の発想展開につながっているのでしょうか。
今回の6話、もう最後が衝撃的ですね。
ユノさんは、ユノなのかしら???
どうしましょう。眠れませんよ、これでは。
早く次回が知りたいです。
今年もあす1日となってしまいましたね。
私は31日から1日にかけては、夜勤にて新年の幕開けは病院です。
患者さんが落ち着いているといいなあ。
来年早々のリリイべ当選して参加するし、ツアーなどがあるから、今回は休みを希望しなかったから、みごとに当たり勤務です。
いいんです。患者さんが少なくて落ち着いてる時に働いて、忙しい時に休みをいただきます。
今年最後のコメントになるかと思いますが、YUNAさんのブログに励まされて生活しておりますし、みなさんのコメントが楽しいです。
あっという間に2月になって3月になりますね。
早く会いたいよ~~~、チャンドラ~~~じゃなかった、チャンポ~~~ン
じゃなかった、シャンミ~~~~ン (*゚▽゚*)
どうぞ、休暇楽しんでくださいね。
また、来年もよろしくお願いします。