相変わらず頻繁に鳴るユノの携帯の着信音
少し長話のあとにユノが席に戻ってきた
「悪いなチャンミナ
一人にしてほんとごめん」
「大事な....用事ですか?」
「ああ、ちょっとな
でももう大丈夫だから」
言った矢先にまたすぐ携帯が鳴りだす
するとユノはその場で電話に出た
「後でまたかけ直すよ
行けなくてごめんな」
そう言って電話を切った後
携帯をテーブルに置きユノはトイレに席を立った
かけ直すって....
行けなくてって....何なんだ...
なんであんなに切なそうな顔するんだ....
いったい誰......
テーブルにはユノの携帯が置いてある
そしてまた着信が鳴り響く
まただ.....
ユノはまだトイレから帰ってこない
途切れる事なくずっと鳴り響いている着信音に
自分の理性をどうにも抑えきれず
いけない事だと知りながら僕はユノの携帯に触れてしまった
震える手で携帯を持つ
恐る恐る画面を見てみるが
着信名はそこには出ていなかった
とうとう我慢が出来ず
僕は思わず電話に出てしまう
無言で息を呑み耳を近付けると
「オッパ!オッパ?
私やっぱりだめ....どうにかなりそう....
お願いすぐにオッパに会いたいの!いつ会える?」
電話の向こうから聴こえてきたのは泣きじゃくる真に迫った若い女性の声
あまりの気迫に僕は耳からすぐ携帯を離した
すぐに電話を切ってテーブルの元の位置に戻す
それと同時に頭の中で何かが切れる音がした
手の震えが止まらない........
ナイフで抉られる様な深く突き刺さる痛みが胸を襲う
張り裂けそうな思いが波のように押し寄せて僕の心を掻き乱した
しばらくしてユノが席に戻ってきた
僕は抑えきれそうもない感情を押し殺すため下唇を前歯でグッと強く噛んだ
相変わらず手の震えは止まらない
「もう帰りましょう」
この場にいるのが僕にはもう耐えられなかった
「ん?まだいいじゃん
もう少しゆっくりしようよ」
「もう...帰りたい..」
「じゃ、これからどっか行くか?
海辺をサイクリングとか」
「一人で.....」
「ん?どしたチャンミナ」
「一人で行ったらいいんじゃないですか!」
つい乱暴な口調てユノに怒鳴り付けてしまった
自分自身がもはやコントロール出来ない
ユノは少しびっくりした表情をしたがすぐに真顔になって
「チャンミナ疲れたんだろ?
ここに来てもう3日も経つもんな
そうだな
明日もあるし今日は早めに帰って休むか」
そう言って会計を済ませると
僕のリュックを背負い
購入した絵画を左手に抱えて
右手をまっすぐ差し出した
でも僕はその手を握らなかった
今その手を握ったら
その場で泣き出してしまいそうだったから
今その手を掴んだら
離す時がとても怖かったから
どうしてなんだろう
どうしてこんな気持ちになるんだ.....
こんな気持ちっていったい....何なんだ...
つづく
(この物語はフィクションです)
愛のポチポチいつもありがとうございます!
更新の励みになってます感謝感激




チャンミン
それは恋心の嫉妬というものです(´・ω・`)
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YUNAさん、お疲れではないですか?
8話のUP、ありがとうございますm(__)m
わーん(T0T)切ない~(T0T)チャンミン、切ない~(T-T)
ユノぉ、チャンミンを抱きしめてあげて~(ToT)
私まで胸が苦しいです(>_<)
雨降って、地固まりますように…