「僕がユノと呼んだ日」1の続きです
ユノは今ドラマの撮影で忙しい日々を送っている
ここのところ全く会う時間がない
こんなに会わないのはどれくらいぶりだろう・・
ついこの前まではツアーで毎日一緒だったから
数日顔を見ていないだけなのに
もう何か月も経っている気がする・・
というか・・
さっきから何で僕はユノの事ばかり思い出してるんだろう。。
髪を両手でクシャクシャッと掻き毟り機内ボタンを押す
「すいませんワインください
出来ればポテトチップスも・・」
ワインを口に含みほろ酔いになり
再びユノと暮らしていた頃の事を思い出す
そもそもメンバーとして10年も同居してきた僕とユノ
共に生活する事
一緒にいる事に全く違和感がなくなっていた
なのに
今になって何故僕がこんなにユノを意識する様になったのか
長い宿舎生活から卒業して
やがて僕たちは別々の家に住むようになった
それからしばらくが経ち海外活動が再開して
またユノとの同居生活が始まった時の事だった
なんだか・・
なんて言ったらいいのか・・
前とは違った変な感じだった
僕には時々ユノの行動が理解できない時がある
あの時もそうだった
地方公演で僕が風邪で熱があった時の事
その日ユノはドラマの打ち合わせが入っていて韓国に戻っていた
僕たちの多少の身の周りの事はお手伝いさんやマネージャーがだいたいしてくれていた
掛かり付けの専門の医者もいて
僕の症状は少し休めば落ち着くとの事だった
でも一人になってからの夜
病状は思った以上に悪化
熱は全く下がらなかった
マネージャーを呼ぼうか悩んだけど
朝からハードに動いていたマネヒョンの事を思うと連絡出来ずにいた
「どうしよう・・息苦しい・・」
とりあえず医者から貰った薬を飲み
ベッドに横たわるが息苦しさは治まらずにいた
そのとき携帯の着信音が鳴った
ユノからだ
え・・どうして・・
「もしもし・・」
「チャンミナ?起きてたか?」
「うん・・
どうしたのこんな時間に?打ち合わせ・・だよね?」
「お前、今朝具合悪そうだったけど大丈夫か?」
「はい・・」
「食事はちゃんとした?パジャマはしっかり着てるか?」
まるで子供扱いだ・・
「あの・・ヒョン・・」
「うん?どうしたチャンミナ」
「僕ちゃんと自分の事は自分で出来るから心配しないで」
「そうか?大丈夫なんだな?」
「俺、帰るのは明日の夜になるかもしれないけど今晩一人で本当に平気か?」
全然平気じゃなかった・・
「うん・・もう大分いいからヒョンは気にしないで」
「じゃあちゃんと温かくして寝ろよ」
「うん・・ありがとうおやすみなさい・・」
そう言って切った後
しばらくボーッと携帯を見つめていた
さっきまでユノの声がしたそこにおでこを擦り付けながら
何故か僕は泣きそうになった
「全然大丈夫じゃないよぉ・・
ユノ・・帰ってきて・・・」
心細くて寂しくて布団にくるまり一晩中ひとり僕は熱と戦った
何時間経ったのだろうか。。
朦朧とした中でうっすら目を開けるとそこにはユノの姿が見えた
夢なのか?これ?
「あ・・ヒョン・・ヒョン?」
「目さめたか。。良かった。。
熱は大分治まったみたいだな」
「ヒョン夜になるって・・え?
・・いつ帰ったの?」
「朝イチの飛行機」
壁にある時計を見ると既に正午を過ぎていた
「それからずっとそこに?」
「今日はオフだから誰も来ないだろ
あぁ、さっきマネージャーから電話があったけど明日はリハが1時間早くなったらしいよ」
「そっか...
でもなんで・・僕大丈夫って言ったのに」
「チャンミナ昨日の電話で声震えてたろ」
僕と話しながらユノは次の仕事の台本に
何気なく目を向けながらパラパラとめくっていた
服装も昨日出かけた時のままだった
「打ち合わせ・・途中だったんじゃないの?」
「大丈夫だ。そんな事いいからもう少し寝ろ」
ユノの打ち合わせは台本読みも含めて
おそらく徹夜で朝までかかったはずなのに
本来は夕方まで睡眠をとってからのフライトだったのだろう
「ヒョンこそ・・一睡もしてないんでしょ
僕の事なんて・・そんな心配いいのに・・」
「じゃ、俺も寝るか」
「うん、そうして
もう僕は大丈夫だから」
「じゃ、チャンミナもう少しそっちにズレてくれる?」
「えっ?ここ・・」
さっさと上着を脱ぎ始め着替えをしようとするユノ
もしや...
.一緒に寝ようとしてるの?
僕の隣で??
熱は下がったはずなのに
赤面している自分に気づいて僕はどぎまぎしてしまい焦った口調で
「あの・・ここって・・
僕の汗とか・・その・・だから
・・シーツとかグシャグシャだし
そ、それに風邪うつるかもしれないしっ」
「俺、チャンミナの風邪うつりたい」
「えっ。。。」
「俺にうつしてくれよ」
「ヒ、ヒョン
それって..あの....」
「なーんてねっ あーはーはー」
からかわれてるのか。。僕。。
焦る自分がなんだか凄く恥ずかしかった
「僕だって好きで風邪ひいた訳じゃありません」
唇を尖らせながらほっぺを少しぷくっとしてユノを上目遣いで睨む
「分かった分かった
よしっもう大丈夫だな」
両手で僕の頭をクシャクシャっとするユノ
そしてさっきまで熱のあった僕のおでこに優しくキスをする
「チュッ」
「え・・・」
するとユノは何も無かった様に自分の部屋に戻っていった
胸がドキドキした
息苦しい・・・
身体全身がカーッと熱くなって頭に血が上った
なに・・これ
何なんだ・・これ・・
ただおでこにキスされただけなのに・・
たかがおでこじゃないか・・口じゃないし・・
って口って僕何考えてるんだっ
それより
何で僕のおでこにユノがキスしたの??
夢かと思い中指と親指で自分の下唇を強くつねる
痛い.......
夢.....じゃないよな....
ユノの何気ない行動で
動揺した自分の心境が理解できなかった
あの日からなのかどうかは未だによく分からないけど
間違いなくユノを意識している僕自身がその時そこにいた
つづく
(この物語はフィクションです)
次はようやく到着編です(^-^;)
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ナマステ〜はインドか!(^ω^)ふふふ!おパボちゃんでーす(^ω^)
わぉ!小説2
待ってましたよ
ユナさんの繊細さがお話しに現れてますね
2人の事もよくよく観察されてますよね
まさに
ユノはお話のとうりの行動をしそうだし、また、してほしい\(//∇//)\
チャンミンおでこにチュッとされて何か感じたのですね
わぁー早く
続編読みたい
楽しみに待ってます(^ω^)