7月21日 快晴
夏の空はすっきりと晴れ渡り
どこまでも真っ青に広がって
穏やかな風と共に途切れた雲はゆっくりと流れた
僕は昼過ぎに起きて身支度を始める
ユノが行ったあと
マンションの後片づけをするためだ
部屋に到着して鍵を開けて中に入ると
思っていたよりも整理整頓がきちんとされていた
・・・ちゃんと片付けていったんだ
ぎりぎりまで忙しかったのに・・
・・・ユノの匂いがする・・・
フーッとため息を吐いてソファーに座ると
テーブルの上に置いてある蓋の開いた段ボールが目に入った
気になって中を覗いてみると
・・・あ、これ
箱の中には
僕とユノが共同生活していた頃に使っていた懐かしい備品が
ひとつひとつ丁寧に詰められていた
・・・・これ
まだとってあったんだ・・
思えばこの見慣れた大きなソファーも
僕らがデビュー当時から宿舎で使っていたもので
ユノは引っ越す時には迷わずこれを最初に持っていった
当時は五人で座るには狭くて余裕が無いと思っていた横長のソファー
二人になってからは広すぎて
僕達は必ずと言っていいほどいつも寄り添いながらそこに座っていた
でも二人で過ごす年月が経過して
僕もユノも目の前の目標を達していくたびに
いつの間にか大きく感じたソファーは
少しも広いと思わなくなった
ユノが新しいソファーに変えないのは
きっと親しみのあるこの座り心地を忘れたくないからなのだろう
箱を閉じて移動をしようとすると
ハラリと何かが床に落ちる
それは僕がいつも座っていた位置の手刷りの端に置いてあった様で
手紙にしては小さくてメモにしては大きめの
四方を揃えて丁寧に折り畳まれている薄紫色をした厚手の紙だった
「……なんだろ?これ」
折り目を解いて中を見てみると
そこにはユノの見慣れた文字で
英文で短くこう書いてあった
************************
Dear chandra
You're the best thing that ever happened to me.
I'll stand by you all the time.
From Yunho
*************************
「チャンドラへ
お前に出会えたことが俺の人生で一番幸せなことだ
俺はいつだってお前の傍に居る。
ユンホより」
ユノは自分が行った後
僕が今日ここに片付けに来ることを分かっていて
メッセージを書き残していった
ユノ・・・・
今日の見送りには行かないと
暗黙の了解で決めていた
もし、僕が見送りに行ってしまえば
待機するファンやあらゆる記者達
その場はパニック状態になる可能性は大きいだろう
僕は立ち上がって思わず部屋を飛び出して
ユノの元に走っていきそうな今の自分の気持ちを必死に抑えた
そしてもう一度ソファーに腰を掛け直して
スーッと大きく息を吸って深呼吸をすると
首を上に向けてゆっくりと目を閉じた
ユノ
見えるよ
僕にはこうするとユノが見えるんだ
7月の澄みきった青い空の下
陽だまりの中で颯爽とするユノの姿が
僕の目にははっきりと浮かんだ
「また会おう」
そう言ったユノの低い声が
すぐそこで聞こえてくるようだった
僕はユノの残していったメッセージを
元通りに丁寧に折り込んで財布の中に仕舞った
「さて・・・
そろそろ仕事行かなくちゃ」
戸締まりを確認して玄関を出ようとすると
僅かに外から風が入り
フッとまたユノの匂いがした
僕は立ち止まって振り返ると
部屋の中をゆっくり一周見回してから
ドアを静かに閉めて鍵をする
そしてロケ地に車を走らせて
何事もなかったように撮影に熱中した
そう、今まで通りに
今までみたいに普通にやってきた事のように
世の中には様々な巡り合わせがある
ドラマチックな出逢いだったり
ありふれたごく自然な出逢いだったり
思いもよらない様な出逢いだとしても
どれも全てが
人生の中での限られた貴重な出逢いであり
それは偶然でもなく奇跡的に
実はずっと遠い昔から
定められているものかもしれなくて
僕はこう思う
出逢うべきして出逢う相手は
一生のうちにそう何人も現れない
運が良くようやく巡り会えたとしても
その奇跡に気付く事がなければ
それは偶然の出逢いで終わってしまい
あるいは通りすぎてしまうこともあるだろう
いくつかの時を重ねて過ぎる日々の中
気が付けば互いの人生の一部となり
無くてはならない存在になる
共にそう感じる事が出来た時に
初めてその出逢いは運命と呼べるものになるのかもしれないと
改めて今
ユノとこうして出逢えた事に
僕は感謝をする
僕の隣にはいつもユノがいた
ユノの隣には僕がいる
そして
これからもそれはずっと変わらない
ーーーー完-----
愛のポチポチいつもありがとうございます

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最後まで見て頂いてありがとうございますm(__)m
リアルに結びつけたお話しになりましたが
今日の日を静かにユノを送り出すのに
自分なりにに何が出来るのだろうとずっと考えていました。
そして見送る側のチャンミンの事もずっと考えていました。
結果、こういう形になりましたが
ユノの気持ちはユノにしか分からないし
チャンミンの気持ちはチャンミンにしか分かりません
これはもうひとつの
妄想小説の中でのお話しですm(__)m
ただ、妄想ではなく現実に分かることは
新たなる始まりの一歩のカウントダウンが
今日からスタートされたと言うことです。
ユノ
どうか元気で
心も身体も健康に帰って来てください
ユノが守ろうとしている大切なその場所で
貴方を思いながら語りながら
帰ってくるその日を必ず待っています。

沢山のプレジェント本当にありがとう(^ー^)
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