fc2ブログ

2015/02/01 Sun  00:20
トキを超えて 28話「セピア色の風景」



昨夜ユノが道路で助けた子犬を
僕はチャンドラだと確信する


そしてそれと同時に
ユノさんの事が頭を過ぎった





あの時代のユノさんはあの後
果たしてどうなったのか・・・


僕がいなくなった後
ユノさんは・・・・





途轍もない不安に襲われ
ネックレスを見詰めたまま僕は動けなくなる






「・・・・ユノ
これ・・このネックレスどうするの?」





「うん
犬がもしまた見つかったら返してあげたいけど・・
ほら、同じ所に戻ってくるって事あるだろう?
だからそれまで保管しておこうかなって」





「あ・・・」






その時ユノの携帯のメールの着信音が鳴る
相手はカフェで働く友人だった






「あーやばいやばい!
俺、カフェに忘れ物しちゃってた~
ちょっと急いで取りに行ってくる!」





「え?今ですか?
大事なもの?}




「うん。
すぐ帰ってくるからちょっと待ってて!」





「あ、はい
じゃ気をつけて」




「すぐ帰るから!」








バタンッ








忘れ物を取りに行くと言い
あっという間に部屋を出て行ったユノ


ユノがいなくなったのを確かめて
ネッレスをそっと手に取り再びじっと見詰めた




繊細な鎖をモチーフにしたアンティークなネックレス
先端の小さなロケット部分は開くようになっている





イルミネーションが美しい街並み・・・・
深夜までやっていたいくつもの露店







「これあげる」




そう言って
照れ臭そうに腕を真っ直ぐ伸ばして
僕の前に差し出したユノさん


僕にプレゼントした後にお揃いだと言って
自分のネックレスを握りながら
ユラユラと揺らしておどけていたユノさん


全てが鮮明に思い出されて
僕は胸がグッと締め付けられる





ユノさんは僕がいなくなった後・・・

あの後
どんな人生を過ごしたんだろう・・・





僕がユノさんを助けた瞬間に
本当の過去の次元は変わってしまったけど
元の世界に戻った僕の記憶がこんなに鮮明だとすれば

その場所に一人残されたユノさんは
ユノさんはきっと・・・もっと・・・・・







「大事な事は俺は絶対に忘れないんだ」






そう言って笑っていたユノさんの顔が何度もチラついて
僕は切ない気持ちで一杯になった





僕には・・・

ユノさん僕には出会えたのだろうか・・・





次元の異なる時代では
そこにいるはずの僕に出会う事が出来たんだろうか








「ユノさんは生きていなければ
この次元の貴方には会えません」



チャンドラの言っていた言葉が浮かんだ





ユノさん・・・・・・・




涙でぼやけてネックレスが滲んでいく

どうにもならない思いと不安で
全身の力が抜けてその場に座り込むと
小さな子供の様に声を出して僕は泣いていた



涙と一緒に震える指からネックレスが擦り抜けて落ちる


するとその衝撃で
ネックレスの先端部分のロケットがコロコロと床に転がり
テーブルの足にぶつかるとカチャッと蓋が開いた

そしてロケット部分の中身から
紙切れの包みの様なものを目にする






・・・・なんだ・・・これ・・・・





ロケットを手に取り逆さまにして
紙切れの包みを開いてみると
そこには色褪せた小さな写真が裏返しに数枚重ねられていた





「1枚.....2枚.....3枚....?」






写真は数年そのままロケットの中に放置されていたのか
それぞれがピッタリくっついてしまっていて
剥がそうとするとそれは今にも破けてしまいそうだった


丁寧にゆっくりと爪で剥がして
何とか一番上の写真が捲れた



するとそこに写っていたのは



セピア色に染まった街並みに
クリスマスイルミネーション
ツリーの前でのツーショット


僕の肩に手を回して
ピースサインをしているユノさんと
そのユノさんの肩に寄り添いながら
笑っている僕だった








「・・・・・・・これ
・・これって・・・あの時の・・・」




色褪せた小さなその写真は
ユノさんが露店の店主さんにお願いして撮ってもらった
間違いなくあの日のあの時の写真だった







・・・・・・どうして


・・・・どうしてこの写真が






その下にある2枚目の写真も
僕はすぐに爪で剥がして表に捲ってみる







「・・・・なんだ・・これ・・・」






2枚目のその写真は粒子が粗く
白い丸い球体の様な点々が所々にあり
全体がピンボケの様にぼやけて
何が写っているのか全く分からなかった




「剥がし方が悪かったのかな・・・」



写真を少し指で擦って
必死で目を凝らしながら数分じっと見詰める

すると不思議な事に
画質が段々と鮮明になって見えてくる

そしてそこに写し出されたものが何なのか
確認出来たその瞬間

僕は固まった







胸が中心が熱くなり思わず心が震える
大粒の涙が次から次へとポロポロと溢れ出た





僕が目にしたもの




そこに写っていたのは
煌々と輝くスポットライトを全身に浴びながら
ステージで颯爽と舞い踊るユノさんの姿だった








「・・・・・・ユノさん
こんな・・・
こんな大きなステージに・・・ 」






僕は喜びと感動で胸が一杯になる
後から後から溢れ出る涙を拭う事さえ出来ずに
その写真を見詰めては何度もユノさんにこう言った





「ユノさん・・・
おめでとう・・・・
本当におめでとう・・・・・」





ユノさんは生きていてくれた
そして自分の夢を立派に叶えた


勇気を持って
未来にある果てしなく続く夢と希望を信じて




このネックレスのロケットに
写真を入れたのはユノさんだろう


僕が消えたあと
僕の書いた便箋の中身を読んだユノさんは
きっと全てを悟り
自分自身に約束をしたのだと思った


そしてその姿を
きっどこかの未来にいるであろう僕に
一番見せたかったと思いを込めて
ロケットの中にそのたびに1枚ずつ
写真を忍ばせたのかもしれない



最初の1枚は僕との思い出

2枚目はきっと初めてステージに立った日








・・・・チャンドラ


チャンドラが知らせにきてくれたんだね・・・







「・・・あ、そうだ
もう一枚写真が残ってる・・・
何が写ってるんだろう。。。」





最後の3枚目の写真を捲ろうとしたその時







ピンポーーーン







あ・・・・ユノが帰ってきた




僕は慌てて写真をポケットに仕舞い込み
ネックレスのロケットを閉めて元の位置に戻す

そして玄関に走っていきドアを開ける







「おかえりなさい」




「ただいまチャンミナ」






いつもの事だった
ユノは鍵を持っていても必ずインターホンを鳴らす

鍵を持っているのにどうして?と聞くと
答えはいつも同じ







「なんかこういうのいいなって思って」





僕が玄関のドアを開けて出迎えると
そう言っていつもユノはにっこり微笑むんだ
















愛のポチポチいつもありがとうございます!
更新の励みになってます感謝感激
imooage.jpg

にほんブログ村 芸能ブログ 東方神起へ


今日も読んでくれてありがとうごじゃいます(´;ω;`)

最終話が迫っておりますが
最後までお付き合い下さると嬉しいですm(__)m


関連記事
スポンサーサイト



テーマ : 東方神起   ジャンル : アイドル・芸能

プロフィール

YUNA

Author:YUNA
ご訪問ありがとうございます☆
東方神起を愛してやまないYUNAと申します
チャンミンのピュアな魅力にどっぷりハマってます♥
ユノが大好きです敬愛しています^^
2人の温かい空気感が大好き
東方神起には夢と希望と幸せを貰っています
他には赤ワインが大好物!!
趣味は?と聞かれると
東方神起と赤ワインと答えてしまいます。どうぞよろしくお願いします(*_ _)ペコリ
コメントはお気軽に♪
トン好き酒好き大歓迎!

♥I LOVE Changmin♥

チャンミン 2017 GIF

最新記事

カテゴリ

Calendar

<
>
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 78
9 10 11 12 13 1415
16 17 18 19 20 2122
23 24 25 26 27 28 -

全記事

Designed by 石津 花

月別アーカイブ

最新コメント

Comments<>+-
Trackback <> + -

blogram

blogramによるブログ分析

tumblr_mvbtl1cWp21rttj6mo1_500_convert_20131028113630.jpg

2015-01- <<         ホーム         >> 2015-03-