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2015/01/21 Wed  21:46
トキを超えて 21話「 大きな夢を掲げるよりも」



賑やかな街並みを少し歩いていくと
小さなカフェバーの前に辿り着く





「今日の夕食はここ」





店内はこじんまりとしていて
ウッド調の壁紙にアンテーィークな照明
雰囲気のあるレトロ風の内装はとてもお洒落な感じがした




「ここもよく来るんですか?」



「前はね。
来るのはかなり久し振りかな」



僕たちが店の中に入るとカウンターの奥から
ユノさんと同じ年齢層くらいの男性スタッフがこちらにやって来て
さり気なく周りを確認しながら手招きをする

招かれる通りに僕とユノさんは
店内の一番奥のカウンターに座った


するとそのスタッフは
固い表情から一変してにっこり笑うと





「いらっしゃいユノ!
久しぶりだな~
お前全く顔見せないから心配してたんだぞ
元気そうだな!良かった良かった!」




「おぅ久しぶり
まぁ何とかね。
ちょっと忙しくて時間なかなかとれなくて」




「ここのとこ変わった事は・・・?
・・大丈夫か?」




「あぁ
今のとこ静かだ
念のために職場もこの前また変えたから」





「そうか・・・
とにかく元気そうで何より!
んで、こちらの美しいお連れの方は?」









「俺の彼女」







え///////

か・・彼女って・・ユノさん・・・//////





「そうなの??
じゃ、あんまり邪魔しちゃ悪いかな
はっはっは
まぁゆっくりしていってよ
お2人さんは何飲む?」





「俺はいついものストロベリーマルガリーター
あ、生のやつね。
チャンミンは?」




「.....あ
じゃ僕も同じもので」




「じゃ生ストロベリー二つと
食事はピザとあとは適当にお願い」




「はいよ。
ピザちょっと時間かかるけどいいか?」




「今日中に出来上がるよな?」




「多分な。あっはっは
じゃチャンミンさんもゆっくりしていってね」





「あ、はい!
ありがとうございます」



僕は席から立って深くお辞儀をする






「あはは
礼儀正しくて可愛い人だなチャンミンさん」




「だろ!
もういいからあっち行って。
邪魔すんなよ」




「はいはい。
じゃごゆっくり!
あ、ユノんとこ電話まだ入れてないのか?
お前んとここっちから連絡つかないからなぁ」





「電話はとりあえず先週入れたんだ
まぁほとんど家にはいないけどね
一応これ電話番号」





「おっ!そうか
じゃ今度は俺からも連絡するわ
でわ、ごゆっくりどうぞ」






男性スタッフはユノさんの友達だというお店のマスターだった

久しぶりの再会みたいなのに僕たちに気を使って
マスターはそれからもこちらの方にはあまり来なかった




「ここのピザはね
生地から作るからちょっと時間かかるんだ
でも味は絶品だからすぐに売り切れでね」





「それは楽しみです!
で・・・・あの・・・ユノさん
僕に気を使わないでください
僕平気だからマスターさんとお話していいですから」





「いいんだよ。
あいつは俺の事よく分かってるから」




「仲が....いいんですね?
お付き合い長いんですか?」





「ホスト時代の同僚。
だからわりと長いかな
あ、チャンミン
俺ちょっとトイレ行ってくるから」





「あ、はい」





ユノさんが席を立ったタイミングでマスターがカクテルを運んでくる




「お待たせ致しました。
ストロベリーマルガリーターで御座います」




「あ、すいません
ありがとうございます」





「チャンミンさん」



「はい」





「ユノを・・・
あいつの事よろしくお願いします」




「あ・・・あの・・」





「ユノはとてもいい奴ですよ
情が深いし何でも一生懸命でどんな境遇でもいつも必死で。
ユノを見てるとこっちも頑張らなきゃっていつも思えるんですよね
ただバカ正直なとこがあるから
今のこういう世間に振り回されたり気苦労もあるけど
とにかく純粋なんですよユノは。」




「知ってます」




するとにっこりとマスターは微笑んで




「そうですか・・
あなたみたいな人に出会えてユノは良かった・・
僕ね。このお店オープンする事がずっと夢だったんです
でも何度もくじけそうになって道を外れそうになったんだけど
そんな時ユノが夢を諦めちゃいけないって
いつも励ましてくれたんですよ
だから僕はこうして自分の夢を叶える事が出来た
ユノの励ましのお陰です。
あいつ・・・自分も大変な時にこの店出す時は一番喜んでくれて
オープン当時は本当に色々と手伝ってくれたんです」





「ユノさんはそういう人ですから・・
きっと友達の夢が叶った事が自分の事の様に
本当に嬉しかったんだと思います」




「そうですね・・
あいつは友達思いだから。
ユノにも僕は夢をいつか叶えてほしいんです
必ずいつか」




「はい
僕もそう思います」






ユノさんがトイレから戻ってくる





「お帰りユノ
チャンミンさんほんと可愛くて素敵な人だな」



「おい
俺の彼女ナンパしてたか?
油断も隙もあったもんじゃないなぁ」



「あっはっはバレたか!
大丈夫だよチャンミンさんはお前にしか興味がないってさ」



「当たり前だろ
早く消えろ」



「はいはい。
じゃごゆっくり~」








「チャンミン退屈してなかった?大丈夫?」



「いえ、
マスターさんとは本当に仲がいいんですね」



「まぁね。
あいつ本当にいい奴だから」






ユノさんと僕は今日見た映画の話しをしながら
カウンターに運ばれてきた食事を済ませて
3杯目のカクテルをオーダーする






「ユノちょっといいか」




マスターがユノさんに呼び掛ける




「おぅ何だよ」



「ちょっとな。
チャンミンさんユノ少しお借りしていいですか?」




「あ、はい!
僕の事は気にしないで下さい」




マスターはにっこり笑うと
ユノさんを連れて更に店の奥の方に行く


そしてユノさんに耳打ちをすると二人とも深刻な顔になって
何かを二言くらい話したかと思うと
ユノさんはすぐにこちらに戻ってきた




「もういいんですか?」



「うん…」




ユノさんの顔色があまり良くない





「ユノさん....何かありました?」





「……来たらしい……奴らここに…」




「え?奴らってまさか......」




「やっぱりまだ探してるんだな…
ここのとこ何も動きがなかったんだけど
もうこの辺うろつくのも難しいかもな」




「あ...じゃ、マスターさんはその....
ユノさんの事情も...」



「うん。知ってる」






そうか・・・・
だから僕たちがさっき店に入って来た時
慎重に周りを確認して
周囲から見えづらいこの一番奥のカウンターに通してくれたのか・・・






「ユノさんが......その......
先輩を庇っているのも知ってるんですね...」



「いや、先輩の事は言ってないから。」



「え?言ってないんですか?」



「言う必要無いよ
言ったとこでどうにもならないしね
あ、でも結局俺チャンミンにはしゃべっちゃったし
なんだかんだ俺も口が軽いか・・・」




「でも....じゃ、マスターさんは
お店のお金のことは....」




「あいつは俺のこと信じてくれてるんだ。
お前が理由もなくそんな事するわけないってさ
よっぽどの事情があるか誰か庇ってるんだろうってね
金もふっかけられて返せる額じゃないから
本当にそんなに大金が盗まれたのかも分かったもんじゃないし
奴らの思うがままに使い捨てされるなら逃げた方がましじゃないかって
当時は夜逃げ同然の俺の手引きまでしてくれて・・」





「・・・そうだったんですか」







マスターは本当にいい人だった
この人がユノさんの友達でいてくれて
とても良かったと思った

でもこんなに心の底から信頼できるであろう相手にも
例の事件の本質的な事を話していないなんて・・・


世話になった先輩を庇い続けるユノさんの気持ちは
分からなくも無いけど
このままではユノさんは夢を叶える事はおろか
私生活も困難な状況だ




話しが途切れた時
僕は思い切ってユノさんにずっと考えていた自分の意見を言った







「・・・・あのユノさん
僕思うんですけど・・・」




「ん......
いいよ
チャンミンには心配かけちゃってるよな俺
思ってる事何でも言っていいから」




僕はカウンターの上のストロベリーマルガリーターを
グイッと勢いよく一口飲む
そして軽く深呼吸をしてユノさんの方に身体を向けて
真っ直ぐ目を逸らさず話をした






「・・・その・・
状況は勿論僕が考えている以上の
その何十倍も複雑なことなのかもしれないけど
でも・・逃げていたら・・
やっぱり先々夢は叶えられないんじゃないかなって思います」






「…チャンミン
…でも
俺は一瞬でもステージに……」







「一瞬でも…ですか?
一瞬でもステージに立てたらそれが夢が叶ったってなりますか?
本当の夢はそこから始まるんじゃないですか?
ステージに立てたそこからまた新たな夢の冒険が始まるんだと思います
僕はユノさんに永遠にステージに立ち続けていてほしい
そしてマイケルジャクソンみたいに世界的なアーティストとして
ずっとずっと人々の心に生き続けてほしい
ユノさんはそれが相応しい人なんです!
ユノさんは・・・ユノさんは・・・・・」








何か大きな夢を掲げるよりも
長く続くように頑張っていきたい



ユノがいつも言っていた言葉だった






身体を震わせながら必死で訴えかける僕の顔を
ユノさんは瞳を潤ませながらじっと見詰める

そしてその雫がこぼれ落ちないように
少し上を向きながら何度も息を呑んでは
やがて小刻みに震える喉で
小さく僕の名前をポツリと呼んだ





「........チャンミン」












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今日も読んでくれてありがとうごじゃいます(・∀・)ノ


一瞬でもいいからステージに立って花を咲かせる事が出来たら
悔いは無いと言っていたユノさんですが
チャンミンの迫真の言葉に瞳を潤ませてしまいましたね

ユノさんはこの先どんな選択をするのか
そしてチャンミンは・・・

と、言うわけで飽きてませんか?(・。・;
ツアー初日ちょい前には完結させますからね(_ _*)


さて
再追加公演のチケット先行受付開始も今週から始まりましたね~
いよいよ初日も迫ってまいりました^^
ダンサーさんやバンドさんのツイやパンフネタバレなど
色々とUPされてきてますね^^
上海コンももうすぐ~
2人の現在のビジュアルが見れますね!
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YUNA

Author:YUNA
ご訪問ありがとうございます☆
東方神起を愛してやまないYUNAと申します
チャンミンのピュアな魅力にどっぷりハマってます♥
ユノが大好きです敬愛しています^^
2人の温かい空気感が大好き
東方神起には夢と希望と幸せを貰っています
他には赤ワインが大好物!!
趣味は?と聞かれると
東方神起と赤ワインと答えてしまいます。どうぞよろしくお願いします(*_ _)ペコリ
コメントはお気軽に♪
トン好き酒好き大歓迎!

♥I LOVE Changmin♥

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