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2015/01/19 Mon  23:39
トキを超えて 19話「遅くなった待ち合わせ」


届くはずのない手紙を書いた

ユノへの思いが溢れ出て涙が止まらない




チャンドラが足元に来て僕の顔を覗き込む







「......チャンドラ
僕が泣いてたのはユノさんには内緒だよ」




「クゥ~ン」




涙をぬぐった手の甲をペロペロと心配そうに舐めるチャンドラ
僕の気持ちを察してくれている様だった










リリリーーーンリリリーーン




電話のコールが突然部屋に鳴り響く



大きなベルの音にドキッとして
咄嗟にユノ宛に書いた手紙を丸めてポケットに仕舞い込む





ツーコールで切れた........ユノさんだ

そして次のワンコールで僕は電話に出た






「もしもしチャンミン
今何してた?」




「あ、ユノさん
いえ、あの、そ、掃除が終わってゆっくりしてたとこです!」





「そっか?
何か声変だぞ
風邪ひいたか?大丈夫?」




「あ...ちょっとホコリ吸っちゃったかも・・・
大丈夫です
すぐ治まりますから」




「ほんとごめんなぁ
掃除って俺ほとんどやらないからホコリ溜まってたよな…
申し訳ない」




「もう大丈夫です!
今は休憩中ですか?」




「うん。
今ね、お弁当食べたよ
美味しかった~♪
俺の好物ばかりなんだもん」




「あ、そうですかぁ
それは良かったですハハハ」






「でね
待ち合わせなんだけど
思ったより早く仕事あがれそうだから
ちょっとジムによってシャワー浴びてから行こうと思ってさ
映画館でやっぱり汗臭いってのもねアハッ」




「分かりました
何時くらいにどこにしますか?」





「渋谷のハチ公前とかにしようか?
分かりやすいだろ?」




「ハチ公…
あっ、はい
たぶん分かります!」





「じゃ6時くらいに」



「はい」





「あ、チャンミン」


「はい?」





「あったかい格好しておいで
今日外寒いから。
ファンシーケースの中の服自由に着ていいんだからね
手袋とマフラーもあるから使って」




「ありがとうございます
6時遅れないように行きますね
お仕事頑張ってください」




「おうっ
頑張るよ俺!
じゃあとでね」




「はい」






ガチャ








6時か・・・

早めに行っておいた方がいいか・・
渋谷...結構変わったかもしれないし....



途中だった片付けを全て済ませ
出掛ける準備にかかる



ファンシーケースの中を開けてニットのセーターと靴下を借りた
手袋とマフラーも持っていこうか迷ったけれど
結局マフラーだけを手に持ち
手袋は忘れたふりをする事にした


何故なら昨夜のユノさんのポケットの温かさが
とても心地良かったから


下心が見え見えな自分自身に寒気を感じながらも
今すぐユノさんに会いたい気持ちで僕は一杯になった




・・・あ、そうだ・・これしていこうっと



昨夜露店でユノさんが買ってくれたネックレス
僕は首につけてシャツの中に隠した



チャンドラにご飯を与えて戸締りもOK




「チャンドラじゃ、行ってくるね
お留守番頼むよ」



「ワンッ」






バタン




玄関の鍵をかけてポケットに仕舞う

コカコーラのキーホルダーが付いているユノさんの部屋の鍵は
ポケットの中で少しガサばった




ユノさんから渡されたお金で電車を乗り継ぎ渋谷に向かう

車内に貼ってある広告は物珍しいものばかりで
見ているだけでも飽きがこない
窓の外の景色も堪能しながら
あっという間に僕は目的地に到着した


改札からハチ公口に向かう途中
さっきから背後に着いてくる男が気になる

気のせいかとも思ったけど
僕が早歩きをすれば早歩きで追い掛けてくる
時々前を追い越しては振り返り
上から下までジロジロと見回される

そしてその男は待ち合わせ場所付近まで着いて来て
とうとう僕に声をかけてきた





「ねぇ、ちょっといい?」


「はっ?」





「YOUさ
どこかの事務所に所属とかしてるの?」


「え?一体何なんですか?」






「こういうの興味ないかな」



男から渡されたのは小さな名刺





「ジャニーズ事務所知ってるよね?
YOU凄くいいと思うんだよねぇ
来てくれないかなぁうちの事務所」




まさかのジャニーズ事務所の路上スカウト
しかも社長自ら







「あの
僕は一切そういうの興味ないので…
あっ、でもお伺いしたい事があります!
聞いてもいいですか?」




「興味ないの?
YOUなら間違いなくスターになれるのに~
思い切って芸能人しちゃいなよ!
責任持って育てるよ」



「いえ、僕はほんとに。。。」




「だめかぁ?芸能人興味ない?
とても残念だなぁ~
う~ん非常に勿体無い!
で、聞いてみたい事って何?」





「その、、
芸能事務所のオーディションとかは一次試験を合格して
事情があって一度キャンセルしてしまうと
次回合格するのは難しいんですか?
僕の...その...友達のことなんですけど。。。」





せっかくのタイミングだから
ユノさんの事を聞いてみようと思った






「YOUのフレンド?
キャンセルしてもまたチャンスはあるんじゃない?
まぁその時たまたま運が良かったってのもあるかもしれないけど
要するに本人がやる気があるかないかの世界だから。」




「国籍や年齢とかは関係ありますか?」




「そりゃ若い方がいいと思うよ
でも年齢に拘らない事務所もあるしその時の運もあるしね
何度も言うけど本人がやる気があるかないかの問題だからねぇ」







.....なるほど
じゃ、ユノさんにはまだ可能性が十分あるっていう事だ




「そうですか!
ありがとうございます!」



「YOUとここで会えたのも運なんだけどねぇ。。。
非常に残念…
まぁ気が変わったら電話して!待ってるよ
じゃグッバイ」








ホッ・・・・・

まさかここで芸能活動する訳にもいかないし・・・
あはは・・・




それからも駅前をうろうろしていると
数々のスカウトマンが声を掛けてきた

振り切るのに耐えられなくなった僕は
移動してデパートの中の本屋で時間を潰し
待ち合わせ時間の少し前にハチ公に向かう事にした




駅前は人通りが多くて
6時になる頃にはピークで大混雑

その中を掻き分けるようにして
僕はハチ公の前に辿り着く





「ちょっと早かったかな......」



余裕をみたつもりだったけど
それから20分、30分が過ぎてもユノさんの姿は見当たらない

少し不安になった僕は連絡をとろうと
コートのポケットから無意識にスマホを取り出す







........あ....そっか。。。。

使えないんだった。。。。。




元の時代では当たり前の様に何気なく毎日使用していた携帯電話
使えない事がこんなに不便だとは思ってもみなかった





・・・・メールもカカオもラインも出来ないのか。。。。

緊急の時とかこの頃はどうしてたんだろう。。。。




ユノさん遅いな・・・

こういう場合どうやって連絡とったらいいんだ・・・




どうする事も出来なくて
仕方なくそのまま1時間ほどその場所で待っていると
騒がしい街の雑音の中
どこからともなく声が聴こえてくる










「チャーンミーーン」







ユノさん?ユノさんの声だ・・・

どこ?

どこにいるの?










「チャーーンミーーン
おーーい!
いるかーーー」






どこからかユノさんの声が聞こえてくるけれど
中々姿を確認する事が出来ない



辺りをキョロキョロと見渡しながら
声のする方に人混みを掻き分けていくと
数分後その中にようやくユノさんの姿を見つける






「ユノさん!」




「チャンミン!!
いたいた!良かったーー」




真冬の寒い中
ユノさんは髪を振り乱して汗びっしょりだった





「はぁはぁっ
ごめん!ゴホッゴホッ
待たせちゃって・・・本当にごめんなぁ」




「ユノさん大丈夫??走ってきたの??
汗すごいよ」




コートのポケットからハンカチを取り出して
僕はユノさんの顔の汗を拭く




「あ、だめだめ!
ハンカチ汚れちゃうからいいよ
顔洗ってないから俺」




かなりの距離を全力で走って来たのだと思った
タクシーに乗り込んだけどあまりの渋滞で途中下車をしたと


作業服のままのユノさんは息を切らしながら
何度も僕に頭を下げて謝る




「ユノさん!謝らなくていいですよぉ
仕事終わらなかったんじゃないですか?
何かありました?大丈夫?」



「はぁはぁ....
帰ろうと思ったら同僚が怪我しちゃってさ
大した事は無かったんだけど色々あって遅くなっちゃった…
電話したけどチャンミン出た後だったみたいで
ほんとにごめん!」



「ユノさんが悪い訳じゃないですよぉ
僕かなり早めに出たから
こっちこそごめんなさい
同僚の人大丈夫ですか?」



「うん、病院行くほどの怪我じゃないから。
実は俺、ここに来るのも迷っちゃって....
何年も来てないから忘れちゃってたみたい
駅前なのになハハ...
こんなに遅れちゃって寒かったよな.....
チャンミンごめんよ……
会えて本当に良かった」




「ほんと大丈夫ですから~
僕が家出るのが早すぎたんですよぉ
とにかく会えたんですからもう謝らないで」




ハチ公前の人混みの中で
互いに僕たちは顔を見合わせてクスリと笑った






「あっ・・・
作業服のままだ・・俺・・」




「どこかで着替えますか?」





「うん。
駅のトイレで着替えてくる
シャワー浴びれなかったから汗臭いけどねアハハ……」






「大丈夫ですよ
じゃ行きましょうか」






僕は自分の手を真っ直ぐ伸ばしてユノさんの前に差し出す






「え....チャンミン....」






「フラフラじゃないですか.....
一体どこから走ってきたんですか?
とにかくまた迷子になったら大変ですから」





ユノさんは幼い子供の様にキョトンとした目をして





「......あ、でも俺の手.....冷たいし...
仕事帰りだから汚いし......」




僕はユノさんの隣にいって
土で少し黒くなっているユノさんの手の平をぎゅっと握る







「あったかいです.....
ユノさんの手はいつも」






静かに微笑む僕を見て
何か言いたげにユノさんは少し口を開くけど
すぐに閉じてそっと僕の手を握り返した




泥と汗で湿っているユノさんのその手は
とてもとてもいとおしかった












愛のポチポチいつもありがとうございます!
更新の励みになってます感謝感激
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お詫びです
途中までの記事が夕方くらいにUPされてしまいましたm(_ _;)m
即座に削除したんですが目にしてしまった方々申し訳ないです~
びっくらしましたよね中途半端で^^::;
冷や汗出ましたマジ( ̄▽ ̄lll)

さて、
リアルではハウステンボスが東方神起とコラボですね!
イメージキャラクターピッタシですね~
CMはご覧になられましたか^^

そしてジムで目撃というツイも見ましたけど
チャンミンだけなのかユノもいたのか詳細は分からずですが
着々とツアーに向けて身体づくりもしているんでしょうね~
露出の多い衣装お待ちしていまふ<(_ _)>
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テーマ : 東方神起   ジャンル : アイドル・芸能

プロフィール

YUNA

Author:YUNA
ご訪問ありがとうございます☆
東方神起を愛してやまないYUNAと申します
チャンミンのピュアな魅力にどっぷりハマってます♥
ユノが大好きです敬愛しています^^
2人の温かい空気感が大好き
東方神起には夢と希望と幸せを貰っています
他には赤ワインが大好物!!
趣味は?と聞かれると
東方神起と赤ワインと答えてしまいます。どうぞよろしくお願いします(*_ _)ペコリ
コメントはお気軽に♪
トン好き酒好き大歓迎!

♥I LOVE Changmin♥

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