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2015/01/06 Tue  20:57
トキを超えて 11話「乾杯」



イルミネーションを眺めながら僕達は肩を並べて夜の街を歩いた



早歩きが癖のユノさんは
時々僕の方を気にしては歩くペースを落としてくれているのが分かる

少し俯き加減に背中を丸め
ポケットに手を入れて無言で歩くユノさんの横で
そのわずかな腕の隙間に自分の腕を絡めたい衝動を僕は必死で抑えた



しばらく歩いていくと
見覚えのある高層ビルの前に来る





ここは....
撮影で使った事があるビルだ..
この頃からあったんだここ...





不意な経緯で過去の日本に来てしまった僕
シムチャンミン



最初は不安で仕方がなかったけど
こうしてユノさんと一緒にいると
この時代も悪くないような気がしてきた




冷静に街を眺めてみると
初めて見る建物もあれば見たことのある様な建物もある

ショーウィンドウに飾られているこの時代の流行のファッション
車やお店

26年後に生活していた僕にとっては
全てが新鮮で少し懐かしい様な

日本だということにも親近感が沸いて
見てるだけで好奇心がそそられた



まさか自分がこの国で
後にデビューする事になるなんて
今こうしてこの場所にいると夢みたいな話で...



そうだ...
僕達が日本活動の時に住んでるマンションとか
この辺だったよな確か....




......そういえば
この前はオフの日が一日だけあって
ユノと二人で何をしたらいいのか分からなくて
とりあえず部屋の掃除をしたんだっけ...

僕が一生懸命片付けてるのに
ユノは物を積み重ねるばかりだし
珍しいものを発見すると途中で中断しちゃうし
モップを持たせればマイクがわりに歌い出しちゃうし
挙げ句の果てには飽きちゃったのか
雑巾がけしたままリビングで居眠りしてるし...


あの人はまったく...
一人にしておいたら部屋が大変な事になっちゃうからなぁ


食事の後もあちこちに食べこぼしがあったりとか
僕がいないとほんとにユノは....










・・・・・・・





ユノ......




どうしてるかな......








.......帰らなきゃ


やっぱり僕どうしても帰らなきゃ

でも、どうしたら元の時代に戻れるんだろう..








高層ビルの中に入り
エレベーターで49階まで昇る

レストランの入り口の前でユノさんは立ち止まると
にっこり笑って指を差す







「チャンミン着いた
ここ入るよ」






「ここですか?
こんなお洒落なとこ今日は予約でいっぱいなんじゃ....」







「えへへ
実はさっき予約入れたの
カップルなら男同士でも窓際オッケーだって」







広い店内は薄暗く
各テーブルには蝋燭が灯されている
深夜だというのに満席状態

大きなガラス越しの向こうには
宝石を散りばめた様な美しい夜景

いくつか用意されている窓際の席
そこは全てカップル席となっていた
ロマンチックな空間
丁度いいポリュームでジャズのBGMが流れている


僕達は一番奥のボックス席に通された




「チャンミン
何でも好きなものオーダーしろよ
遠慮しなくていいからね
チャンミンは何が好物なのかな?」




「あの....
ここ結構高そうだけど大丈夫ですか?」





「大丈夫だって!
ここはね、見かけほど高くないんだ
リーズナブルで凄く美味しいんだよ」




「あ、じゃユノさんにお任せします」





「そうか?
じゃ、えっと。。」







ユノさんはメニューを取り
慣れた口調でディナーをセレクトしてオーダーする





「ワイン赤で良かった?
相当イケるんだよなチャンミン」




「なんで僕がワイン好きって分かるんですか?」





「だって酔っぱらって俺んちの前に倒れてたでしょチャンミン」





「あ、そ、そうでしたね////」





「ベッドに運ぶ時
寝息がワインの匂いがしたから
きっと好きなんだろうなってね」







「寝息って////」





そうか...
外で寝ていた僕をベッドに運んでくれたんだ
僕どんな顔して酔いつぶれてたんだろう....
寝息がかかるほどユノさんの顔が近くにあったって事か...///






「本当にすいません
僕重かったですよね...
色々迷惑かけちゃって」







「俺、身体鍛えてるから
足腰や腕力にはわりと自身あってさ。
チャンミンのこと余裕で運べたよ
お姫様抱っこってやつ?アハハ」




「え//////」






そんな....
ますます自分がどんな顔していたのか気になる...
ヨダレとか垂らしてなかったかな
だらしない顔してたよなきっと...

うううっ~~






恥ずかしさが込み上げて自己嫌悪に陥る
その時の状況が物凄く気になるけど
怖くて聞きたくない....



僕は何気なく話を他のに流れに変える






「このお店凄い素敵ですね~
こんな高い場所から夜景とか久しぶりに見ました。
いつも来るんですか?」



「まあね」





「あ.....女の人と...
ですよね勿論」




「いや、一人で時々ね」






「ひとりで?」





「そう
あそこが俺の特等席」


そう言うとユノさんは
窓に一番近いカウンターの端の席を指差した





「でもここに一人で...
夜景を見にとかですか?」








「俺が一人でここに来るのは
心が折れそうな時だ」




「え...」





ユノさんはガラスの向こうの壮大な夜景をじっと見詰めて





「広いよな...
まるで空の上にいるみたいだろ」






「あ、はい」






「必ずここでさ...
この日本で自分は成功してやるって
自分自身に時々誓いにくるんだ
何があっても前進あるのみってね」




そう言うと
ユノさんの目力が強くなった







「あの...
もし良かったらユノさんのこと...
話してくれませんか?
僕....ユノさんのこと......」




オーダしたワインがテーブルに運ばれてくる





「チャンミン
まずは乾杯しようか」





「あ、はい!
そうですね。
えっと....何に乾杯しましょうか」





「決まってるじゃん
チャンミンと俺の出会いに乾杯だ」





「はい!
それとチャンドラとの出会いも!」




ユノさんは左手でグラスを少し傾けると
僕の瞳をじっと見詰めて
溢れそうな笑顔で優しく微笑む

ゆっくりとワインを口に含み
ゴクリと噛み締めて呑んだ後

喉越しの余韻に浸る間もなく
ポソボソと低い声で語りだした。






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当日がさばる物とかは先に購入しておいた方がいいもですね^^;;

登山のチャンミンかばいかったなぁ
腰痛ちょっと心配だったけど山に登れるなら平気ですね(爆)

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プロフィール

YUNA

Author:YUNA
ご訪問ありがとうございます☆
東方神起を愛してやまないYUNAと申します
チャンミンのピュアな魅力にどっぷりハマってます♥
ユノが大好きです敬愛しています^^
2人の温かい空気感が大好き
東方神起には夢と希望と幸せを貰っています
他には赤ワインが大好物!!
趣味は?と聞かれると
東方神起と赤ワインと答えてしまいます。どうぞよろしくお願いします(*_ _)ペコリ
コメントはお気軽に♪
トン好き酒好き大歓迎!

♥I LOVE Changmin♥

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