興奮ぎみにユノさんの手を両手で握り
はしゃぎまくる
棒立ちになったまま
僕をじっと見て動かないユノさん
「ユノさん
疲れてない?大丈夫??」
「.......あ、うん。
大丈夫だよ
あんなんじゃ全然まだまた躍り足りないよアハハ」
「あの、さっきのダンスは自己流ですか?」
「うん、まぁ
ブレイクダンスとかの影響もあるけどね
映画見たろ?
俺、オゾンとターボの大ファンでさ
15回くらいは見に行ったかなぁ」
「なんだか
言い方悪いかもしれないんですけど......」
「なに?
何でも言っていいよ」
「その...
こういうところで披露するのは勿体ない様な
クオリティの高いパフォーマンスだと思って....
なぜ、ここなんですか?」
正直そう思った
勿論こういうステージを差別した目で見る訳じゃないけど
お客さんの大半以上は
ストリップショーを目的にここに来ているわけで...
ユノさんのダンスは評価されないんじゃないかって
「俺はさ
どんなステージでも自分の持ってる全てを
出し尽くしたいし
望まれるところだったら何処へでも行きたいんだ。
評価されたら嬉しいけど
それだけでダンスしてる訳じゃないしね」
ユノ....
いつものユノだったら
やっぱりこんな風に言うんだろうなって思った
「なんてな!
ちょっと俺カッコつけすぎだなアハッ
まぁ色々とあってね
これも意味があることだから」
「あ、すいません
僕、ユノさんに余計なことばかり言ってますよね...」
「そんなことないって!
思った事を直接言ってくれるなんてありがたいよ俺にとっては」
「ごめんなさい」
「あやまるなって!
じゃそろそろ帰るかな
でもその前に…」
「まだ仕事があるんですか?」
「いや、今夜の仕事はこれで終わり。
チャンミン
帰る前にちょっと寄り道してデートしないか?」
「え?デートですか//」
「今日はね
俺、給料日だったからちょっとはリッチなんだぜ
チャンミンお金持ってないだろ?」
あ......
確かに....
昨晩は衝動的に家を出てきたから
携帯とコート一枚しか持ってこなかったんだった....
「さっ
行くぞ!」
「あ///ユノさん///」
僕の右手を取って握り締めたかと思うと
いきなり走り出すユノさん
ネオンの中
風になびく前髪から見え隠れする切れ長の瞳
スマートな鼻筋
ふっくらとした唇から時々見える白い歯
少年のように無邪気に微笑むユノさん
僕はその眩しい横顔にしばらく見とれた
イルミネーションが美しい大通りに出ると
道の両端には露店がいくつか並んでいる
ある店の前でユノさんは急に立ち止まり
何かに興味を示したように座り込むと
その品物を手に取り即座に購入した様だった
「チャンミン」
「はい」
「これあげる」
「え?」
それは繊細な鎖をモチーフにしたアンティークなネックレス
先端の小さなロケット部分は開くようになっている
「これ、僕にくれるんですか?」
「あげる」
ネックレスを素手で握り締め
ちょっと顔を赤らめて
照れ臭そうに腕を真っ直ぐ伸ばして
僕の前に差し出す
「ありがとうございますユノさん
大切にします」
満足そうにユノさんはにっこり微笑むと
「チャンミン
そこのツリーの前に立って」
「ここですか?」
するとユノさんは
いきなりダッシュで走り出したかと思うと
さっきの露店の店主に頭を下げて
何かを頼んで僕の横にまた走って帰ってくる
「じゃ、お願いします!」
どうやらツリーの前での
ツーショット撮影をお願いしていたらしい
「ほら、チャンミン撮るぞ
笑って!」
僕の肩に手を回し
しっかりと抱きながらピースサインをするユノさん
僕は突然のツーショット撮影に戸惑いながらも
ユノさんの肩に寄り添いながら笑顔が自然とこぼれた
「ありがとうございます!」
ユノさんは大きな声で店主にお礼を言うと
走り寄ってカメラを受け取り
嬉しそうにこちらに走ってくる
「カメラ...
いつも持ち歩いてるんですか?」
「今、あの店で買ったんだよ
写るんですって最高に便利だよなぁ
昔はカメラって高級なイメージあったけど
なんていってもこれ使い捨てだからね。
ほんと便利な世の中になったもんだ」
写るんですって…
カメラの名前なのか...
何だろうこの紙みたいなカメラ
こんなんでほんとに写るんだ...
あ、だから「写るんです」?なるほど..
ある意味凄いなこの時代.....
チャリン
「これは?」
「これはチャンドラの首輪につけるの。
俺達だけでペアじゃチャンドラに悪いだろ」
「このネックレスペアだったんですか?///」
「うん
ほら♪」
お揃いのもうひとつのネックレスを左手に握り
ユラユラと揺らしながら舌を出しておどけるユノさん
クールで冷ややかな態度をとったかと思うと
本当は動物好きな心底優しい人で
酔っ払って倒れている見も知らない僕を
そのまま放っておけない人で
時々切ない顔をしたかと思うと
こんな風に少年の様なあどけない笑顔を見せる
僕は胸がキュンとなった...
そして目の前にいるユノさんを
もっともっと身近に感じたいと思った
愛のポチポチいつもありがとうございます!
更新の励みになってます感謝感激




深夜のデートなのにピュアな二人の関係がなんかいいですね(*´ー`*)
さて、お正月も過ぎまして
本日から通常の生活になりますね。
今年も頑張りましょう!ファイティン!
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