fc2ブログ

2015/01/02 Fri  21:42
トキを超えて 8話「ブラックライトに揺れるシルエット」



きらびやかなネオンの灯り
人通りの多い賑わった街並み

ユノさんは黒いサングラスをかけて
ポケットに手を突っ込み颯爽と早歩き

その後ろから僕は小走りで着いていった



高層ビルの前でユノさんが足を止める



「職場ここですか?」


「そう
とりあえずここは2時間だけだから」


「え?とりあえずって....」



エレベーターに乗って
店の入り口の厚いドアを開くと
重低音のサウンドがいきなり身体にズシンと響いた

派手な無数の照明にミラーボール
フロアの壁の一面が鏡張りになっている


そこはいわゆるクラブをゴージャスにした様な場所だった



元の時代でも撮影以外クラブ未経験の僕は
その華やかさとディープな雰囲気に少し戸惑いを覚えながらも
物珍しげに周りをキョロキョロと見回す




「チャンミン?」

「あ、はい」



「どうした?
まさかディスコ初めてとか?」


「ここ、ディスコなんですか?」



「まじで?
チャンミンほんとにオタクなの?
いつも何して遊んでたんだ?」


「あ...
僕、、高校時代から仕事してたし...
こういうところで遊ぶっていうのは経験がなくて」





本当の事だった
芸能界に入ってから僕には
同じ年齢の友達と同様な青春時代は全くなかったから





「じゃ、せっかくだから
今日は遊んでいけよ」


「ユノさんは?
何処に行くんですか?」


「俺はあっち」




指差した方向は一段敷居が高くなっているDJブース



「じゃ、行ってくる
少し待っててね。
あ、チャンミン!」



「はい?」



「ナンパされない様に気を付けろよ」







DJブースに入るユノさん
この時代に流行ったであろうダンスナンバーを
次から次へと華麗なmixでプレイをする


ブースの前には物凄い人だかり
ユノさん目当てに挑発を仕掛ける女性で溢れかえり
熱気もピークに達していた


取り巻きの中
ユノさんが僕の方を見ながら煽るように手招きをすると
一斉に周りからは奇声が上がり
フロアは異常な盛り上がりを見せた

鳴り響くサイレンの効果音にレーザーライト
フロアに吹き上げられたスモークの煙







すごいや......





とてもその中に入っていく勇気が無くて
ユノさんのプレイが終わるまで
僕は入り口付近で待つことにした


すると背後から肩をたたかれ




「ねえ、黒服のお兄さん
これ私の家の電話番号
明日にでも電話して」



「は?」




振り向くとそこにはモデル並のスタイルの
髪の長い女性

大きく胸元の開いた
身体のラインがくっきりと出ている派手なワンピースに高いヒール


前髪をかきあげながら
自分の電話番号を書いたメモを長い爪に挟み差し出す




「あなた新入りよね?
なかなか私のタイプよ
いいわよ、付き合ってあげても」



付き合ってあげても....って
これってもしや僕、誘われてるのかな...




「あの、僕とあなたは今初めて会ったばかりで
その、何も知らない同士だし」



「は?だから何なの?
今から知り合えばいいじゃない
どう?これから他の場所に行かない?」



「他の場所ってあの.....
だから僕とあなたは今会ったばかりで」




「もう!めんどくさいわね
いい?この私が誘ってあげてるのよ?」







その時
女性の背後から肩を掴み睨み付けるユノさん





「やめろ
お前、黒服なら誰でもいいのか?」



「なによ
あなたに関係ないじゃない」



「ああ関係ないよ
でもこいつには手を出すな」



「なんなの?
この人とあなたとどういう関係?
私がどうしようと勝手でしょ」



「お前が誰と何をしようと勝手だ
でももう一度言う
こいつにだけは手を出すな」






ユノさん....
どうしたんだろ.....
あんなに怖い顔して....







「ばっかじゃない!」




女性はユノさんの顔をきつく睨み付けると
持っていたメモを投げ捨ててその場を去っていった





「あの......ユノさん
今の人は....」




「ああ....
見苦しいとこ見せちゃったな
あれは俺の元カノだ」




「え....
家を出ていったっていう...
あ、すいません」



「前はあんなやつじゃなかったんだけどな」



「家を出たのに
ここで毎日顔を合わせるんですか?」




「毎日ってことないけど
あいつさ....
俺の見てる前で他の男取っ替え引っ替えするんだ」



「え....
それって、わざと..ですか?」




「さあな
でも俺がそんな風にしちゃったのかもしれない....
言える資格もないっていうかさ
別れてから初めてだよ
こんな風にあいつに言ったのは...」




「もしかして
あの...もしかしてですけど
あの人まだユノさんの事が好きなんじゃ....」




「前にね...
あいつが部屋を出ていってしばらくして
ここで偶然に会って
もう一度俺とやり直したいって言ってさ」




「それで...
受け入れたんですか?」




「戻ってくるからには
今度は命を駆けろって俺はあいつに言った。
勿論、俺はずっとそういうつもりだったから
でも...」



「はい」






「結局は俺の方から別れを告げた」





「...もう
やり直す気はないんですか?...」




「ない。
三度めはもうないよ」




「ですよね....
僕なら...二度めもないと思います...」






「命懸けろって言っておいて
ひどい男だよな俺」









勿論、それだけの理由のはずがない

ユノさんの顔を見ていたら彼女がユノさんにとって
とても大きな存在だったのが分かる

二人の中には他人には分からない
深い経緯がきっとあったのだろうと思った








「こんな話....
人に話したのチャンミンが初めてだな俺
みっともないだろ? 」







顔色ひとつ変えようとせず
淡々と別れた彼女の事を話すユノさんが
妙に切なく思えた









「みっともないなんて...
全然そんなことないです」






僕は人目も気にせずにその場で
ユノさんの大きな肩にそっと手を回して
包み込む様に抱きしめた



そして耳元でこう言った







「ユノさんは....
ユノさんはいつも真っ直ぐすぎるだけです」








ブラックライトの中




僕とユノさんのひとつのシルエットが
鏡の中で滲んで揺れた











愛のポチポチいつもありがとうございます!
更新の励みになってます感謝感激
image_20141221184352037.jpg

にほんブログ村 芸能ブログ 韓国男性アイドル・アイドルグループへ


80年代ディスコ懐かしい(笑)
ちなみに私は当時は
渋谷ラ・スカーラやHIP-HOP、 S.I. Joe
六本木のqueueとかよく通ってましたね~

お話の中のディスコはマハラジャの様に
ドレスコードありの黒服やお立ち台のある
イケイケディスコのイメージです(^_^;


お正月
皆様満喫していらっしゃいますか(^_^)
お仕事の方もいらっしゃいますね。
本当にお疲れさまですm(__)m
前記事沢山のご挨拶どうもありがとうございました!
関連記事
スポンサーサイト



テーマ : 東方神起   ジャンル : アイドル・芸能

プロフィール

YUNA

Author:YUNA
ご訪問ありがとうございます☆
東方神起を愛してやまないYUNAと申します
チャンミンのピュアな魅力にどっぷりハマってます♥
ユノが大好きです敬愛しています^^
2人の温かい空気感が大好き
東方神起には夢と希望と幸せを貰っています
他には赤ワインが大好物!!
趣味は?と聞かれると
東方神起と赤ワインと答えてしまいます。どうぞよろしくお願いします(*_ _)ペコリ
コメントはお気軽に♪
トン好き酒好き大歓迎!

♥I LOVE Changmin♥

チャンミン 2017 GIF

最新記事

カテゴリ

Calendar

<
>
- - - - - - -
- - - 1 2 34
5 6 7 8 9 1011
12 13 14 15 16 1718
19 20 21 22 23 2425
26 27 28 29 30 31 -

全記事

Designed by 石津 花

月別アーカイブ

最新コメント

Comments<>+-
Trackback <> + -

blogram

blogramによるブログ分析

tumblr_mvbtl1cWp21rttj6mo1_500_convert_20131028113630.jpg

2014-12- <<         ホーム         >> 2015-02-