僕を1985年の時代に招いたのはチャンドラだった
それには理由があるという
「チャンミンさん
実は・・」
「チャンドラちょっと待って
これだけは最初に聞いておきたいんだけど
1985年のユノさんと未来のユノは同一人物だよね?」
「はい
未来のユノさんは
1985年のユノさんの生まれ変わり」
「・・・やっぱり」
「の、はずでした」
「え?
はずだった・・・?」
「はい
チャンミンさんが先程までいた場所は紛れもなく
元にいた時代の2014年の延長線上にある過去の1985年でした。
でもチャンミンさんがユノさんの代わりにビルから落下した事で
新しい異次元の空間が生まれたのです。
あの瞬間に過去の1985年は
別の次元の1985年となったのです。」
・・・・そうだったのか・・・
・・・でも・・だとしたら
「でも、そうなると・・・・
次元が変わってしまったとしたら
ユノさんはユノとは関係ない人になるの?」
「そうではないです。
チャンミンさんが一緒にいる未来のユノさんは
先程まで一緒にいた次元のユノさんでもあります。
繋がっているんです
次元は異なってもそこは変わりません
1985年のユノさんの生まれ変わりが
チャンミンさんのよく知っているユノさんと言うことです。」
現実での過去は
ビルの上から落下するのはユノさんのはずだった
でも、僕があの瞬間
ユノさんの手を引っ張って引き戻した事で
新たな次元が存在してユノさんの未来が変わったんだ・・
「未来のユノさんが誕生するのはこの先の二ヵ月後の2月。
1985年の12月にチャンミンさんを呼んだ理由は
ユノさんをどうしても助けてほしかったんです。
助けられるのは貴方しかいないから
怖い思いをさせてしまってごめんなさい」
「二日間だけっていうのは何か意味があったの?」
「はい
僕にはこういう力はあっても
タイムスリップを持続させる力は無いんです
せいぜい持って二日です。
だからこのわずかな時間に
ユノさんがもしチャンミンさんに心を開いてくれていなかったら
ユノさんの運命を変える事は出来ませんでした。」
「でも、じゃ
ユノさんはこの先はいったい・・・」
「これから貴方に会うんです」
「え??僕に?」
「この新たになった次元にいるチャンミンさん貴方に出会うんです。
でもユノさんは生きていなければ
この次元のチャンミンさんには会えません」
・・・生きていなければ
「それはいつ?いつ僕に会えるの?
すぐ会えるの?
自分の代わりに僕が落ちていったと思ったら
ユノさんは…ユノさんは…」
「ユノさんは
チャンミンさんが残していった便箋を見つけます」
「・・・あ
僕が書いていた便箋・・・・」
「ユノさんは便箋の中身をこれから読みます。
後はユノさんの決断次第です」
そうか・・
僕が書いたあの便箋をユノさんは見るんだ・・・
「ユノさんが・・・生きていてくれたら
本当に必ずそこにいる僕に会えるの?」
「この先数年後にユノさんは芸能界入りする事になります
そこでチャンミンさん貴方に会います。」
「ほんと!?」
今から数年後にユノさんはオーディションに合格して
ある事務所に元々所属していた僕と対面するそうだ
そして急ピッチでユノさんと僕は
デュオとしてのデビューが決まるらしい
僕はチャンドラの話を聞いていて涙が溢れた
ユノさん・・・・
ユノさんがデビューできる・・・
夢を叶えるんだ・・・
「でも、もし
この後ユノさんが生きる気力を無くしてしまったら
その先の未来はありません。
チャンミンさんに出会う事もなくなります
全てはユノさんの決断にかかっているんです」
・・・・・・ユノさん
お願い・・・・・お願いだから生きてユノさん・・・
「チャンミンさん
色々とありがとうございました。」
「チャンドラ・・・
チャンドラは一体どこから来たの?
ユノさんの家の前に倒れていたって聞いたけど・・」
「僕、交通事故にあったんです
それで生死を彷徨った時に今の力が芽生えました。
ユノさんに恩返しがしたかった
僕は未来でも過去でもユノさんに助けられているんです。」
「ユノに・・・?」
「はい
ユノさんに助けられていなかったら
僕はとっくに命を落としていました。」
「チャンドラは・・・
これからユノさんのところに戻れるの?」
「これもユノさんの決断次第です。
僕もどうする事も出来ないんです
ユノさんが生きる決心をしてくれたら
僕はユノさんの元にまた帰れます
そうでなければ僕も消える事になります
僕はユノさんに助けられたお陰で今生きているのですから」
「チャンドラ・・・・」
「本当にありがとうございますチャンミンさん
さようなら」
「あ.....チャンドラ!」
チャンドラが一瞬にして消えたかと思うと同時に
目の前にあった草原も瞬く間もなく消えてなくなり
真っ暗な音の無い世界に僕は置き去りにされる
暗い闇の中
身動きがとれずにしばらくじっとしていると
やがて微かな光が遥か遠くに一筋見えて来る
その光が近づいてくるにつれて
次第に僕の意識は遠のいていった
{ユノ目線}
「チャーーンミーーン!!!」
何か大きな目覚ましの様な音が鳴り響き
チャンミンはバランスを失った
咄嗟にすぐにチャンミンの手を
この手でしっかり掴んだはずなのに
チャンミンは空中で消えた・・・
・・・一体これはどういう事なんだ・・・
「チャンミーーン!!チャンミン!!
チャンミン!!どこだ!チャンミン!」
何度もチャンミンの名前を叫びながら
俺は屋上の方々を走った
・・・消えた・・・確かに・・・
この手を擦り抜けて・・・・
チャンミンの手を掴んだはずの手をグッと握り締め
何がなんだか分からずに
全身の力が抜けてその場に座り込む
「・・・チャンミン
・・・お前・・・どこに行ったんだよ・・・
・・・なんで・・・」
チャリン
チャンミンが消えた場所で
昨日露店で買って
俺がチャンミンにあげたネックレスを見つける
あ………
その時頭の中に
チャンミンが言っていたあの言葉がふいに過ぎった
「タイムスリップってあると思いますか?」
・・・・・・・・
もしかして・・・・
本来ここから落ちるのは
俺のはずだったのでは・・・
俺がさっきここから落下しそうになった時
チャンミンは俺の手を掴んで引き戻した
もしチャンミンがここにいなかったら・・・
俺はそのままここから落ちて命をおとしていただろう
・・・・・チャンミンは
・・・・チャンミンはもしかしたら
俺の変わりになるために
この時代にやってきたのか・・・・
「チャーンーミーーン!!」
俺は何時間もそこから動く事が出来ずに
それからも何度も何度もチャンミンの名前を叫び続けた
でも・・・
陽が昇り夜が明けても
チャンミンは戻らなかった
納得がいかない思いとやりきれない思い
脱力感の中どこをどう歩いたのか覚えていない
どうにか家路に辿り着くと
俺はそのまま倒れ込み深い眠りに陥った
どれだけ時間が経ったのか・・・
陽が落ちてまた夜になり
真っ暗な部屋の中で目が覚めた俺は
どうしようもない喪失感に襲われる
全部夢だったのか・・・
チャンミン・・・・
お前と過ごした時間は幻だったのか・・・
はっ・・チャンドラ
チャンドラはどうした?
部屋の灯りをつけてチャンドラを探す
そういえば帰宅した時から泣き声を全く聞いていなかった
「チャンドラ!チャンドラ!」
風呂場に台所
どこを探してもチャンドラの姿は見当たらない
どこ行ったんだよチャンドラ・・・
お前までいなくならないでくれよ・・・
俺をひとりにすんなよ・・・
急激な寂しさと孤独感に押し潰されそうになり
何もかもが辛くなり床に打伏した
消えたい・・・
ここからいなくなりたい・・・
俺が・・・
俺が落ちれば良かったのに・・・
「ちきしょう!」
力任せにテーブルを蹴るとネックレスが音を立てて転がった
そしてその転がる先を目で追うと
ベッドの下の奥の方に
押し込まれて置いてあった便箋を見つける
「・・・・これ・・・」
・・・俺がチャンミンにあげた便箋だ・・・
震える指でゆっくりと中を開いてみると
そこには数ページびっしり書かれている文字
チャンミンが書いたものだった
その書き出しは
こんな始まりだった
ユノさん
いきなりここに来てしまい
ありえない状況に沢山混乱したけど
そんな僕を救ってくれたのはやっぱりユノさん
あなただった
天使の様にぐっすり眠るあなたのその横で今僕は
あなたの用意してくれた便箋を開いてペンをとっている
あなたの前に突然現れた男
僕は2014年12月24日の未来からここにやってきたシムチャンミン
何故自分がこの時代のこの日本に導かれたのかは分からないけど
ここでまた僕の親愛なるユノに会う事になろうとは・・・
きっと僕たちはいつの時代も
運命の糸で結ばれているものと改めて確信をした
でも僕には今
大きな不安がある
ここにいるユノさんと未来のユノ
紛れもなく2人は同一人物だ
そして今のこの過去とされる時代が
将来僕たちの存在する未来と延長線上で結ばれているならば
理屈として考えられる事はひとつしかないと
ここは1985年12月
未来のユノはまだこの時は誕生していない
これは考えたくないような・・・
とても辛い想像だけど
ここにいるユノさんの生まれ変わりが
未来のユノかもしれないという事
でもこの想像は
はずれてほしい・・・
僕はユノさんに夢を必ず叶えてほしい
何があっても前向きで諦めない
そんなユノさんが大好きだから
夢の話をしている時のユノさんはとても眩しい
ユノさんが笑っていると僕はとても幸せな気持ちになる
ユノさんにはずっとずっと笑っていてほしい
もし・・・あるいは
ここから僕が消えてしまう日が
いずれ来たとしても
どうか悲しまないでほしい
必ずまたどこかで
僕と出会えると信じていてほしい
僕はいつの時もいつの時代も
あなたと共に一緒にいます
ユノさん
幸せになってほしい
何があっても
必ず生きてほしい
・・・・・・・・
・・・・チャン・・ミ・・ン・・・
・・・・・
愛のポチポチいつもありがとうございます!
更新の励みになってます感謝感激




今日も最後まで読んでくれてありがとうごじゃいます(´;ω;`)
チャンミンが残していった便箋の中の文章を見て涙ぐむユノさん
これは17話でチャンミンがユノさんの寝顔を見ながら書いた文章です
これからのユノさんは?
そしてチャンミンは?
お話しが複雑ですいましぇんm(__)m
そしてリアルでは
ガオンチャートK-POPアワード授賞式
アルバム販売1半期の1位受賞!
ユノ チャンミンおめでとう!!
- 関連記事
-