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2014/09/08 Mon  21:47
僕がユノと呼んだ日 40話「不思議な場所」


しばらくすると緑の生い茂る密林地帯に出会う

その奥まったところに僕達の目指している目的地があるらしい





「ヒョン
やっと着いたみたいです!」



「おっ!
この先か?」



「はい
多分ここを少し行ったとこです」


自転車を降り
密集している葉を掻き分け
先を歩いて行くと狭い岩壁にあたる

そこを通り抜けると
目の前には壮大な景色が広がった



「うわっ!すっげ~~
チャンミナここか!?」




僕はリュックから本を取り出し
記載されている写真と
今自分達のいる場所を見比べ
照らし合わせてみた



雲ひとつない抜けるような青い空

緑の棚田が山の上の方まで広大に連なる

目の前には大きな湖

白い砂浜にいくつか建ち並ぶ閉鎖された古びた寺院


ひっそりと数年もの間
そこにあるかの様な石像は
年季が刻まれ方々が欠けていて
白と黒の格子模様の布が巻いてある


いつの日からか人々は
ここに訪れなくなったのであろうと物語る様に
木で作られた形を失ったお供え物らしきものが
いくつも砂に埋まっていた




「確かにここです」



数年前のあの頃


僕はここの写真を見て
吸い込まれるような魅力にとりつかれた


閑散とした空気

風だけが流れている空間


心身ともに疲れた時は
見ているだけで心が穏やかになった



時には消えてしまいたいとさえ思ったあの頃

僕はここに来て
自分自身の時間を止めたかったのかもしれない







「チャンミナ
ここに来たかったんだね」



「はい
特に何があるわけじゃないし華やかな場所でもないし....
でも、たまらなく心を惹きつけるものがあって」



「昔はここ
沢山の人が訪れたのかもしれないね」



「そうですね....
いつからか誰も来なくなって
忘れられた場所になっていったんでしょうね」



「でもさ
忘れられてないじゃん」



「え?」



「だって俺たち
ここにこうして来た訳だし
チャンミナの心を鷲掴みにした場所なんだろここ?」



「まぁ...そうですけど」



「それだけですげーよ!
チャンミナを虜にするなんてさ
それに見渡す限りのこの絶景!最高~~
気持ちいいな~~」




「でもやっぱ...
何もないとこですね...ハハ..」




ユノは僕の両手を引っ張ると
にっこり笑って
その場をぐるぐると回り出す




「あ、ヒョン~~~」



「アハハー
チャンミナと一緒に景色がぐるぐる回ってる~~
絶景!絶景!!」



「もう~~ヒョン!
目回っちゃいますよぉ~~」




「あっ、あれ」



「えっ、ヒョン
どこ行くんですか~?」



数メートル先の木まで全力でいきなり走り出したかと思うと
ユノは何かを拾って戻ってくる





「ヒョン何か見つけたの?」



「ふふん♪
チャンミナ目つぶって」



「こう...ですか?」



目を閉じるとそこはとても静かで
風の音だけが聞こえた




「ヒョン
もう目開けてもいい?」



「まーだだよ
もうちょっと待って」



しばらくするとユノが僕に近づく
髪に指が触れたかと思うと
頬に軽くチュッとキスをする



「あ......//////」



「もういいよ
ゆっくり目開けて」



目を開けると眩しい光の中
微笑んだユノの顔

髪に手をあてようとすると



「だめ!
チャンミナ鏡ある?
見て見て」


「え、、鏡?」



言われた通り
リュックから鏡を出して見てみると
ユノが触れた僕の髪の場所には
小さな白い花が飾りつけられていた



「あ...../////」




「チャンミナ似合うよ
かわいい♡」



そして何気なく目の前の白砂を見ると
そこには
「I LOVE♡ YOU」と文字が大きく書いてある

どうやらユノが拾いに行ったのは
木の下に落ちていた白い花と枝の様だった



「ヒョン////」



「どう?気に入った?」



「う...ん/////
ありがとうヒョン......」




ここを写真で見ていた頃

時が止まった様な閑散としたこの風景を
僕はとても寂しい場所だと思っていた


でもユノとここに来て
こうしているだけで
僕の思っていた寂しい場所は
とっても幸せな場所に変わっていく


ここには何もない訳じゃない


僕達の時間は止まっているわけではなく
こうして今も動き始めている




「チャンミナ」


「はい」



「ここ遊ぶものがいっぱいありそうだな」


「あっ、探検ごっことか?」



「かくれんぼとか?」



「隠れるとこないから
すぐ見つかりそう....
砂浜にもぐるとか?」



2人で顔を見合わせて大声で笑った



「店は無さそうだなぁ
ご飯にありつくのはもう少し後になるけど
チャンミナ大丈夫か?
湖で魚でもとってやろっか?
またヤシの実探して割るか?」




「ヒョン~~」



ユノの肩に抱きつき撓垂れかる

僕達はいつまでも笑いが絶えなかった



「お店もないし人も見ないし
まず観光客はここには来ませんね」




「う~ん......でも....
何だろ..ここ....
さっきからなんか不思議な感じなんだよね
何て言うかな
懐かしいっていうか...」



「ヒョンも...ですか?」




「なんだか分からないけど
いつか来た事がある様な....
まっ、それはないか!来たの今日初めてだしな」




「ですよね
少し歩いて探索してみます?
.......といっても見渡す限り砂浜だけど」




僕達が歩き出すと
葉っぱがゆっくりユラユラと揺れる


一面に広がる白い砂はきらきらと光り
二人を歓迎してくれている様に思えた


時々流れる静かな風が
湖を小さく波打ち弾いては音をたてる


決して名所とは呼べない素朴なこの場所に

僕とユノはどんどん惹き込まれていった








つづく


(この物語はフィクションです)




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ようやくチャンミンが昔行きたかった目的地に到着
しかしここはユノと元々一緒に来る運命だったのかもしれません

二人でいれば寂しげな場所も楽園(*´∀`)

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テーマ : 東方神起   ジャンル : アイドル・芸能

プロフィール

YUNA

Author:YUNA
ご訪問ありがとうございます☆
東方神起を愛してやまないYUNAと申します
チャンミンのピュアな魅力にどっぷりハマってます♥
ユノが大好きです敬愛しています^^
2人の温かい空気感が大好き
東方神起には夢と希望と幸せを貰っています
他には赤ワインが大好物!!
趣味は?と聞かれると
東方神起と赤ワインと答えてしまいます。どうぞよろしくお願いします(*_ _)ペコリ
コメントはお気軽に♪
トン好き酒好き大歓迎!

♥I LOVE Changmin♥

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