パーティー会場のプールサイドは
既に沢山のゲストで溢れかえっていた
先端にバーカウンターが設けられ
オールスタンディングスタイルとなっている
昼間の景色とは一変
田園地帯のホテルは
別世界にtripした魅惑的な場所となっていた
庭園の木々にはブルーのライトが施され
水面はライトアップにより時間差で点滅
グリーン、パープル、オレンジと
変化していく様はとても美しかった
DJブースでは狼男に仮装したDJ達が
今夜のパーティーを盛り上げるファンキーなサウンドを
バトル形式で次々と爆音で廻していく
周りを見ると仮装をしているせいか
どこの国の人種なのか年齢も分別がつかず
勿論、僕達の事は誰も知る訳がなく
仮に知っていたとしても
まさかこんなところで東方神起がこんな仮装をして
目の前にいるとは信じがたいだろう
特に僕のこの格好に関しては....ハハ.....
「凄いねぇ~
全然違う場所に来たみたいだよねぇ」
「そうですね~
これだけ人が多いと何がなんだか分からないですよね」
「チャンミナ何飲む?
俺、飲み物持ってくる」
「あ、すいません
じゃ、僕はとりあえずジンライムをロックで
お願いします」
「OK!」
長いマントを振り乱して颯爽と歩く後ろ姿
すれ違う女性達がユノを見て振り返る
どうやらヴァンパイアになってもユノは魅力的な様だ
「お待たせしましたお姫様」
そう言ってカクテルグラスを僕に一つ渡す
「ありがとうございます」
氷の入った冷たいジンに生のライムをキュッと絞る
ふとユノの飲み物を見ると真っ赤な液体がグラス一杯に注がれていた
「それ何ですか?」
「あ、これね
トマトジュース。
やっぱヴァンパイアはこれだろ?」
どこまでもヴァンパイア に成りきるユノ
成りきってるのはユノだけじゃない
怪しい奇声を上げながら
プールの周りを徘徊するゾンビ
どこから持ってきたのか片手には生肉を握り
人の目の前でそれをリアルに潰しては
注目を浴びていた
そして
一際目立っていたのがマイケルジャクソン
音楽に合わせて華麗なダンスを繰り広げ
スレンダーな動きそのものもマイケルにそっくりだった
「おー!
あのマイケルやるなぁ!
ダンスもキレキレじゃん!」
ユノは大喜びで成りきりマイケルに拍手と声援を送る
すると、それに気付いたマイケルは
ユノを指差したかと思うと
親指で「カモン」というジェスチャーをした
「ヒョン
あれってヒョンの事呼んでるんじゃないんですかね?」
「え?俺?」
ユノはキョロキョロと周りを見て
自分の事を指差して「ぼく?」とジェスチャーでマイケルに答える
マイケルは「うんうん」と頷き右手でおいでおいでとユノを呼んだ
そしてまたダンスを続け始めた
どうやら自分に人一倍声援を送ってくれるユノに対して
一緒に踊ってあげようというサービスの様だ
「ヒョン行ってきたら?」
「う~ん
でもなんか恥ずかしいなぁ」
そう言いながらユノはマイケルの隣に行くと一緒に踊り出す
少し照れているユノにマイケルは笑いながら
「こうするんだよ」とユノにステップを教える
ユノは教えられた通りに見よう見まねで
最初は少しぎこちなくステップを踏むが
あっという間に同じように出来てしまう
マイケルは「なかなかやるな」と言わんばかりに
ユノに親指を立てる
すると今度はかなり難易度の高いステップを始める
しかしそれを見たユノは一瞬で出来てしまう
プールサイドでは歓声が沸き拍手が巻き起こった
ユノがただ者じゃないと気付いたマイケルは
むきになった様に自分の持つべきパフォーマンスを次々に披露して行く
もはや、パーティーは
マイケルとヴァンパイア のダンスバトルのステージと化した
ノリに乗ったユノは
マイケルのパフォーマンスをその場でオリジナルにアレンジをして
パントマイムを加え笑いをとる一方
華麗な舞うようなダンスを繰り広げた
またもや
空に響き渡るような大歓声が巻き起こる
二人の高度なパフォーマンスにつられて
DJ群もテンションが上がり
ピッチの速いダンス曲を更に爆音でmixする
成りきりマイケルは
「負けてたまるか」と言わんばかりにユノを煽ってくる
いよいよクライマックスになり
マイケルが最も高度な技を披露し出した
ブレイクダンスの技の一種
ヘッドスピン
頭だけで全身を支えて回転しながら
バランスをとるというテクニックのいるパフォーマンスだが、
もはやここまでいくとダンスではなく
技を競うゲームに過ぎない
マイケルはパフォーマンスを終えると自信満々に「どうだー!」と
両手を大きく広げて周りに歓声を沸かせた
そしてヴァンパイアユノの方を見て
「やれるもんならやってみろ!」という様な
ジェスチャーをして煽る
するとユノはマイケルにサムズアップをして
「 Your number one !」と言って
ムーンウォークをしながらその場を離れた
またしても拍手と大歓声が沸く
成りきりマイケルに対して周りのゲスト達が
「Your number one !」
「number one !」 と声を揃えて合唱して取り囲み囃し立てる
マイケルは「I'm number one !」と
何度も叫んびながら嬉しそうに歓声を浴びていた
ユノが戻ってくる
「はぁはぁ~
ちょっと張り切りすぎちゃったかなアハーハ」
「ヒョンお帰りなさい
凄くかっこよかった!」
「なんか恥ずかしいなぁ
それにしてもあのマイケル!
ダンスの筋いいよな!楽しかった~」
確かにあのマイケルは上手かったけど
きっと本気で競っていたらユノとは比べ物にはならなかったと思う
おそらくあれが彼の持つべき全てのパフォだったと思うから
ユノがただ者じゃないと分かると彼は
途中から競う事しか考えていなかった
でもユノはあくまでダンスを心から楽しんだ
そして最後は
彼のプライドを傷つけない様に自分はサッとその場から身を引いた
あのマイケルや回りからしてみたら
ヴァンパイアは降参したかと思っただろうけど
僕はよく知っている
ユノが誰よりもナンバーワンだという事を
「ヒョン」
「ん?」
振り向いたヴァンパイア
頬を伝うその汗を
僕はそっと唇で拭き取った
つづく
(この物語はフィクションです)
愛のポチポチ更新の励みとなっています
心から感謝しておりますありがとうございます




今日も読んでくれてありがとんごじゃいますm(__)m
も少しだけと言いながら
妄想小説かれこれ18話まできちゃいました(^-^;
ドン引いてる方もいらっしゃるかもしれないですが
もう少しだけお付き合いください~
チャンミン不足の今日この頃ですが
とりあえずは会報だったり写真集だったりで
補給というところですね( ´△`)
でも来月はイベントがありますから
お顔が見れますね!
楽しみに待ってます(*^_^*)
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