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2015/07/17 Fri  22:48
7月の空ノ下 5話「ユノ特性ボンゴレパスタ」


使いなれた鍋をあえて底の焦げは落とさずに
僕は丁寧に磨いて箱に封印をした




そして今日の日付け

「2015/7/20 」とマジックで書いた


次にこれを開けるのは2年後になるだろう








スプーンとフォーク
ワイングラスをテーブルに並べてスタンバイ

ユノの作るボンゴレパスタをひたすらじっと待つ



どうやらスムーズに料理は進んでいる様で
ニンニクとオリーブオイルのこおばしい香りが
空腹の僕の食欲をいっそう刺激した






「あ、そうだ・・
ワイン用意しなきゃ」





ワインセラーを開いて僕は今晩のワインを選ぶ






「ヒョン
どんなワイン飲みたいですか?
ボンゴレだから白がいい?」






「一番上の右側のやつ」





「え?一番上……」





言われた通りワインセラーの
一番上の段にある右側の1本を取り出してみると
見慣れない赤ワインがそこにはあった





「あれ、、
こんなのストックしてたかなぁ・・」









「それね、
俺が持ってきたの」





「え、ヒョンが?」





「うん
チャンミナと一緒に飲もうと思ってさ
随分前から用意してたんだ」






改めてワインのラベルを見てみると
2003年に製造されたヴィンテージ





・・・・2003年







僕はすぐに気がついた




それは
ユノと僕がアーティストとして結成した年のワイン




白ではなくあえて赤にしたのも
特別な意味があったのだろう







「・・・大切に」



「ん?」





「大切に
僕達の今までの時間を飲みたいです」





ユノはにっこり微笑むと
親指を立てて僕に向かってウィンクをした










「出来上がり!」




大きな声でそう言うとユノは自分の作品に拍手をして
片手でリズミカルに皿を運びテーブルの上にするりと置いた


あさりが沢山盛り付けられたスープたっぷりなボンゴレパスタ
皿の脇にはお洒落にバケットが添えられてある


少し飛び散った周りのソースを拭き取り
もう片手にあったパセリをパラパラと
仕上げにふりかけると得意気に微笑んで






「どうぞ召し上がれ
チャンミナ限定
ユノ特性ボンゴレパスタで御座います」








あさりとハーブとにんにくの絶妙な香り
僕は皿に顔を近づける

鼻をくんくんと動かして
大きく息を吸い込んで目を瞑ると
自分でも想像していなかった思いもよらない変な声が出た






「はぁぁあ~~
たまらないですこの香り♡♡
本場のイタリアンレストランのパスタみたいだぁ~~」




「見た目だけじゃないからね
味が重要だからちゃんと味わってみて」




「はいっ
いただきまーす!!」





スプーンの上でくるくると
フォークにあさりとパスタを絡ませて
口の中一杯に欲張りに頬張る

見た目にも劣らないその美味しさに僕は感動をして
光ったほっぺをもぐもぐと膨らませた






「やばい・・・
美味しすぎる・・・
ヒョン!これめっちゃめちゃ美味しいよ!!!」



「だろ?
チャンミナはほんと正直だなぁ 」




「ヒョン
お世辞抜きでプロの味ですよ
専門店の味ですよぉー 」




「そう?やっぱり?
俺もそう思うアハッ」




「これ自己流ですか?
ボンゴレってオーソドックスだけと
結構拘ると難しいっていうか、、」





「実はね
撮影で教えてもらう機会があってさ
これだけはしっかり覚えたんだ。
チャンミナに作ってあげたいって
ずっと思ってたから何度も練習したりしてね」







・・・そっか

やっぱり・・・







ユノの指先には
うっすらと小さな生傷がいくつかあった


それはおそらく撮影中に出来たものではなくて
もしかしたらだけど
覚えたての料理を僕に食べさせたくて
今日のために猛特訓したのではないかと思った


もう一度パスタを口の中に頬張ると専門店のボンゴレの味は
家庭的な温かい味わいにも思えて
僕は別の感動で胸が一杯になり
ゆっくり噛み締めては瞳を輝かせた








「・・・良かった
チャンミナのそういう顔
見たかったんだ」





「え・・?」












「俺の料理を食べてチャンミナが喜ぶ顔
ただそれが見たかった」





そう言うとユノは眩しそうに目を細めて

とても幸せそうに優しく僕を見詰めた











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もうお気づきかもしれないですが
お話はユノの入隊日の前日がモチーフになっております。

あと数日
超短編になりそうですが
心を込めて書いていきますので最後までお付き合いくださいm(__)m


リアルでの近状のユノは
元気そうでとてもいい笑顔でしたね。

ユノらしく充実した時間を過ごせます様に(*´-`)

2015/07/16 Thu  22:46
7月の空ノ下 4話「焦げた鍋底」







「・・・ ヒョン
なんか焦げ臭い・・・」




「ん?」







二人で顔を見合わせて同時に首を横に向けると
キッチンから僅かに立ち上る黒い煙に気がつく







「あ"ーーーーー」








どうやら鍋に水を入れて火にかけたまま
放置してしまったらしく

僕達がじゃれあっている間にそれは煮えたぎって
中の水分は全て蒸発してしまっていた






キッチンに駆け寄って
慌てて鍋の中にコップの水を放り込むユノ

しかし、煙は蒸気となり一瞬更に舞い上がると
部屋中に焦げ臭さが一気に立ち込める






「ヒョン、蓋、蓋して!」




「あ、そっか!」








換気扇のレベルを上げ窓を全開にして
部屋の空気の入れ替えをする

しばらくすると焦げの臭いはおさまって
大騒ぎだったキッチンもようやく静かになった







「やっちゃった・・・
チャンミナ鍋焦がしちゃってごめん
これもう、使えないよな」




「大丈夫ですよ
まだ他にもあるから、
それより、僕こそ本当にごめんなさい・・」




「なんでチャンミナが謝るんだよ
俺の不注意だもんな
付けっぱなし全く忘れてたし」




「僕がカメラで撮ったりしたから…
僕のせいですよ。。」




「だーかーら
チャンミナのせいじゃないって!」







「・・ていうか、料理中だった事
いつの間にかすっかり忘れちゃってましたよね・・」





「だな・・・」





「・・・何してるんでしょうね僕達」







「イケメンのカメラマンが誘導するの上手いんだもん
つい、のせられちゃったアハッ」






「いえ、
イケメンのモデルがカメラマンを誘導するのが上手いんです
つい、のせられちゃいました」









・・・プッ


アッハッハーハーハー!!!









互いに顔を見合わせては吹き出してしまい
特に理由もないけれど妙に可笑しくて
僕達は腹を抱えて大声で笑った









「あーー、、
久しぶりにこんなに笑ったな~」




「僕もです~~
腹筋が痛いや。。筋トレになったかもアハハ
いっぱい笑ったらお腹すいちゃった」







「よしよし
じゃ、そろそろ続きやるか
あ、チャンミナ他の鍋ってある?」




「あるけど、何作ろうとしてるの?
まだ秘密?」











「ボンゴレパスタ」








ボンゴレ……





そうか・・
だからあさりが砂抜きされてたんだ・・








「はい、じゃこれ使ってください」



棚の奥の方から
未使用の底の深い寸胴鍋を取り出してユノに差し出す





「サンキュー♪
待ってて。
世界一美味しいボンゴレパスタ食べさせてあげるから」




そう言うとユノはエプロンの紐をキュッと強く結び直して
再びキッチンに仁王立ちになると
真剣な眼差しで料理の続きを再開した








「あ、チャンミナ
この焦げた鍋、どうする?捨てるか?」







「いえ、とっておきます」













僕は思った





この焦げた鍋底を見るたびに
ユノと二人で大笑いした今日のことを


きっとこの先
何度も懐かしく思い出すのだろうと













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2015/07/15 Wed  22:01
7月の空ノ下 3話「互いにしか見せない顔」


僕の部屋にユノが来るのは本当に久しぶりだった



互いに合鍵は持ち合わせていても
僕がユノのマンションに行くことの方が圧倒的に多かったから。




ユノの部屋のキッチンの間取りは僕は全て認識済みだけど
ユノが僕の部屋のキッチンに立っているのはある意味珍しくて
今更ながらなんだか不思議な感じがした





ユノは鼻歌混じりに冷蔵庫から食材を取り出して並べては
ひとつひとつ指をさしながら手順を確認している様だった



一通り済んた後
にんにくを手に取り軽く宙に投げてキャッチしては
包丁の平らな部分でそれを押し潰す



ちょっと心配になって
椅子に座ったまま首を伸ばして覗いて見てみると

ひたひたの水が入ったボールの中には
びっしりとあさりの砂抜きがされていた



パセリを微塵切りにする手付きは危なっかしくて
決して手際がいいとは言えないが
ちゃんと形にはなっている







・・・・へぇ。。。







10年以上も一緒にいるけど
私生活でユノがこんなに真剣にキッチンに立つ姿は
今までほとんど見たことがない

この光景がやっぱり不思議でたまらない僕は
今とても貴重なものを見ている気がして
即座にカメラを持ってきてはシャッターを押した









カシャッ
カシャッ









「ん?
何だよ
こんなとこ撮るなよ」





「いいじゃないですかぁ
こんな貴重な光景しっかり残しておかなくちゃ」





「どういう意味だよそれー」






「まぁ、いいから気にしないでくださ~い」







カシャッ
カシャッ







記念に数枚だけシャッターを押すはずが
いつのまにか撮り出すと止まらなくなり
次第にキッチンに接近していっては
嘗め回すようにユノの全身を連写する






「…ったく、チャンミナはー
もう、やめろって~」






そう言いながらもカメラを向けられると
さりげなくモデルさながらなポーズを決めるユノ




このまま写真集にしてもいいくらいの出来だ






僕はますます興奮してシャッターを押し続ける

撮られているのが気持ちいいのか
ユノもカメラ目線でだんだんとエスカレートし始めた



キッチンから移動をすると
壁に凭れ掛かかりクールに決めたかと思えば
今度はソファーに横たわりながらアンニュイな表情をする


誘うような流し目に少し開いた口元
指先で下唇を摘まむ仕草は思わずドキンとして
レンズ越しに僕は何度も生唾を呑んだ



横たわるユノを上から中腰で
無我夢中に撮り続けて体制を変えようとしたその瞬間






ドスン





カメラごと右腕を強く引っ張られ
仰向けになったユノの胸の上に僕の顔面は深く沈まった








………甘い

……ユノの匂いだ……









「こらっ
撮りすぎだぞ」





頭を上げると
うっすらと日焼けをしたユノの白い歯が目の前にある




キッチンに立つユノを撮るつもりが
いつの間にかソファーの上でこんな体制に・・・





「あ、、
僕、つい夢中になっちゃって……」






「俺もチャンミナに撮られてると思ったら興奮しちゃった」





「興奮って//////」





「なぁチャンミナ
他の誰かをそんなに夢中になって撮るなよ」






「ないですよぉ
僕は基本、人はあまり撮らない方だから…」





「じゃ、何撮るの?」









「珍百景」






「じゃ、今俺を撮ったのは?」




「はい
珍しい光景だったから、つい。」








真顔でそう答えると
ユノは上半身を勢いよく起こして
ガバッと僕に身体ごと抱きつく





「なんだと~
こいつめっ
こうしてやる!」







馬乗りになって僕の上から覆い被さると
脇腹の弱いところを
これでもかと擽り責めては離そうとせず

それは尋常じゃないくらいに敏感に反応して
耐えきれず僕は身体を捩り
手足をバタバタさせて子供の様に暴れた







「やめてーー
ヒョンやめてってばーー」




「だめ
許さない」







「お願いーー
許して~~やめてーー」




ソファーの上でじゃれ合いながら
外にまで聴こえてしまうんじゃないかと思うほどに
僕の声は部屋中に響き渡った




そのうちユノは
暴れている僕の手首を両手で力強くしっかり押さえつけると
ニヤッと笑いながら顔を近づけて






「そろそろ許してやるか」





そう言って上から僕を見下ろした



ユノの前髪の先が揺れて
僕の額に柔らかく触れるとそこもやっぱりくすぐったくて
僕はぎゅっと目を閉じてそれを耐えるように下唇を噛んだ






「どうだ
まいったか?」






下唇を噛んだまま真っ赤な顔をして
コクンと頷いてからそっと薄目を開けてユノの顔を見る



そして目が合ったその瞬間


笑っていたはずのユノは急に真面目な表情になっていて
僕の顔を切なそうにじっと見詰めた









ユノには僕にしか見せない顔がある


僕にもユノにしか見せない顔がある



そしてそれは互いに言葉を交わさなくとも
何が言いたいのかはいつもだいたい予想がついた



おそらく僕達は
今同じことを考えているんだと思う








ユノ


今のこの時がいとおしいね






時が止まってしまえとは思わない

だって時が過ぎなければ
僕達の再会の日は訪れないのだから





でも、

互いを感じることの出来るたわいのないこんな時間が


もう少しだけ
あとほんの少しだけ
ゆっくり流れてくれたなら








今の瞬間

僕達はただそれだけを胸に願っていた













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「RISE AS GOD」発売ですね!

「神として立ち上がる」まさに“東方神起”

タイトルだけでも期待が高まってドキドキします。

ユノ チャンミン
沢山の宝物をどうもありがとう

2015/07/14 Tue  22:05
7月の空ノ下 2話「二人だけの時間」



リビングのドアを開けると
仄かに甘い香りが漂って心地よい空気がフッと流れる



いつかどこかで嗅いだような
懐かしい匂いに僕は鼻をひくひくさせた










「・・・・この匂いは」







「えへへ
懐かしいでしょ?」






「この甘い匂い・・これ・・
いつか行った南国の香りと同じですね
えっと…プルメリアだったかな?」










「あれ」


手を伸ばしてテープルの上を真っ直ぐ指差すユノ




その先に目をやると
少し大きめのベージュ色をした鉢植えがひとつ
テーブルの横に置いてあった







「え?
あれ??
花…ないけど……」









それは
幹が植え付けられ根が活着した
まだ花の欠片も見当たらない鉢植え


ユノは細い幹を指先で軽く突っつきながら
口角を上げて視線を横に流した






「これこれ」






首を伸ばして覗いてみると
鉢植えのすぐ後ろにはアロマキャンドルが置いてある

どうやらエキゾチックなこの香りはその匂いらしい






「あ…
アロマキャンドルの匂いだったんだ…
いい香りですね。
プルメリアの香り?」




「うん。
何となくこの幹から匂いが出てるように思えるだろ?
まるで花が咲いてるみたいにさ」







「うん……でも
何で幹だけの鉢植を?
花が咲いてるのもあったでしょ?」











「咲いている花は時期に枯れるだろ」





「そうだけど、、」







「まっ!いいじゃん。
とりあえず乾杯しよう」




「はいっ
あ……でも、食材大したものないし…
ここのとこ撮影で家あけること多かったから
冷蔵庫空っぽなんです…
僕やっぱりちょっとそこまで買い物行ってきます」






目深にキャップを被って玄関に向かおうとすると
ユノに手首を掴まれる






「まぁ、いいから座れよチャンミナ」



そう言って僕の肩に手を掛けると
2、3度軽く揉みながらそのままリビングのチェアーに座らせられた





「ヒョン??」






すると、ユノは持って来た自分のリュックの中からガサゴソと
エプロンを取り出しては不慣れな手つきで腰に巻く

紐をキュッと強く縛ってポンポンと拳で自分の胸を叩くと
ちょっと仰け反りぎみに胸を張り僕を見てはどや顔をする








「今日は俺がチャンミナに作ってあげる」





「え?ヒョンが?
あ、でもほんと何もないですよ」











「 ジャジャーン 」




勢いよく冷蔵庫をユノが開けると
そこには食材が乱雑にいくつか積み込まれていた






「これ、ユノヒョンが?」





「うん
さっき買ってきた。
ほんとに冷蔵庫の中、何も入ってないんだな
チャンミナにしては珍しいから驚いちゃった」





「はい
ここのとこ自炊する時間がなくて、、」





「だろ?
今日は俺がスペシャルディナー作るからさ
期待してね♪」










・・・・ユノが
・・・スペシャルディナー







「あ、それじゃ、僕も手伝います!」






「だめ。
作るものもう決まってるからチャンミナは座ってて」





「でも……
何作るの?」






「ひーみーつ! 」














・・・気持ちは嬉しいけど





・・・・・・・・







「なに?なんか不満?」






「いえ、
不満なんてことある訳ないじゃないですか!
ただ……その、、
ヒョンにだけやらせるんじゃ悪いですよぉ
だから僕も一緒に手伝うから」







「そんな気使うなって!
チャンミナはゆっくりしてろよ
とびっきりの自信作食べさせてやるから」





「……ほんとに
僕、何もしなくてもいいの?」






「いいからいいから!
チャンミナはここで俺のこと見守ってて!なっ
チュッ♡ 」





「あ////////」









・・・・ってこのタイミングでキス

しかも口・・・



まぁ・・一瞬の軽い挨拶みたいなキスだけど。。。









でも



やっぱり照れる/////













「チャンミナ」




「はい///」








「何でもない♡
ただ呼んでみただけアハッ」






「もうっ
何ですか急に////」










いたずらっぽく微笑みながら
キッチンの向こうでチラチラとこちらを見てはご機嫌なユノ






まるで暮らし始めたばかりの新婚夫婦の様に

目が合うたびに僕達はニヤけが止まらず
互いの名前を無意味に何度か呼び合った








久しぶりの二人だけの時間


こんな些細な事が


僕達はとても幸せだった








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テーマ : 東方神起   ジャンル : アイドル・芸能

2015/07/13 Mon  22:38
7月の空ノ下 1話「1分1秒」






「遅くなっちゃったな…」








早朝からの撮影


思っていたよりも収録が長引いてしまい
外に出ると空はすっかり暗くなっていた


着替えを済ませて最後にもう一度だけ台本の予習をする









「お疲れ様」



「お疲れ様でした!」




「チャンミンさん
明日は夜の撮影になるけど
聞いてるよね?」




「はい、聞いてます。
21時には到着するようにします」




「よろしくね。
明日は長丁場になるからしっかり寝ておく様に」




「はい
明日もよろしくお願いします!」








監督とスタッフと別れた後、早歩きで駐車場に向かう

周りに人気がないのを確認してから
猛ダッシュで車に乗り込み急いでスマホを取り出し電話をかける









「もしもし」




「おぅっチャンミナ
お疲れさん」




「遅くなっちゃって…
今、終わったところだけどすぐそっち向かいますから
今からでも大丈夫?」











「だめ」












・・・・遅すぎたか
やっぱり・・・












「…ですよね
ちょっと遅すぎちゃいましたね僕…
ヒョンは明日忙しいし…」






「いいから早く帰ってきて」



「え?」







「俺、今
チャンミナの部屋でお留守番してるから」




「ヒョン
僕の部屋にいるの?」





「うん
待ちきれなくてこっち来ちゃった
ついさっきねアハハ」




「分かりました!
今からすぐ帰るから待ってて」





「あ、チャンミナ
急がなくていいからな
気を付けて帰ってこいよ」





「はい!
気を付けながら急いで早く帰ります!」





「買い物もしてこなくていいからね」





「え、でも
夕食はどうしますか?外で食べる?
ヒョン今日は家でゆっくり食べたいでしょ?」





「いいから。
そんな心配しないでとにかく気を付けて帰っておいで」




「うん…でも…」





「なっ
俺は早くチャンミナの顔が見たいんだから。
1分1秒が大事だからさ」

















そう





今の僕達にはこの僅かな秒刻みの時間さえも
とても貴重で大切な一時だった








今日は仕事が終わり次第
僕の方からユノの故郷 へ出向くはずだった

でも撮影中に思いもよらぬハプニングがあり
結局はこんな時間に…



ユノが僕のところに来てくれて居なかったら
会っていられる時間はもっと限られてしまっていただろう





急がなくていいと言われても高鳴る気持ちは止められない


車を降りるなり走り出し
マンションのエレベーターに乗り込む

部屋の前まで到着すると一端足を止めて呼吸を整え
僕はドアを開けずに部屋のブザーをそっと鳴らした












ピンボーン







カチャ









ブザーとほとんど同時にドアが開く
気配を感じて待っていたんだろうか






真っ白なVネックの半袖のシャツに黒のハーフパンツ
少し乱れた前髪から見えるきらきらした瞳
白い歯を見せてにっこり微笑みながら
ユノは僕を出迎えてくれた










「ヒョンただいま
遅くなってごめ・・・
あ・・・」





顔を見るなりユノはその場で僕を強く抱き締めると










「急がなくていいって言ったのに……
こんなに息を切らして…」



そう言って僕の身体をぎゅうっとする








「ヒョン…
あの…僕…汗臭いよ
まだシャワー浴びてないし
ヒョンのシャツ汚れちゃうかも…」







「汚してくれよ…
チャンミナの汗で汚れるならいくらでもいいよ」







「ヒョン…」












僕達がこうして二人きりで会うのは久しぶりだった




手を伸ばせばいつも傍にあった当たり前だったこの温もり


ほんの少し離れていただけなのに
とてもいとおしくて仕方がない







しばらくその場で抱き締め合いながら
互いの温もりを確認しあうと僕達は
ようやく安心したように額と額をくっ付けては瞳を合わせた















「チャンミナおかえり」






「ただいまユノヒョン」













照れ臭そうにクスッと笑って互いに手を取り合い
僕達は部屋の中に入っていった










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短編まったりなお話です。
可能な限り更新していきますね(*^_^*)

テーマ : 東方神起   ジャンル : アイドル・芸能

プロフィール

YUNA

Author:YUNA
ご訪問ありがとうございます☆
東方神起を愛してやまないYUNAと申します
チャンミンのピュアな魅力にどっぷりハマってます♥
ユノが大好きです敬愛しています^^
2人の温かい空気感が大好き
東方神起には夢と希望と幸せを貰っています
他には赤ワインが大好物!!
趣味は?と聞かれると
東方神起と赤ワインと答えてしまいます。どうぞよろしくお願いします(*_ _)ペコリ
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トン好き酒好き大歓迎!

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