ストレートなユノの言葉は
僕の迷いを消し去る様に心の奥に響いていった
僕がユノに対する感情も
やはりユノ限定のもので
それが男女の様な
恋愛感情なのかと言われれば
今の僕にははっきりとは答えられないけど
理屈でも何でもなく
言葉にするとすれば
やはり「愛している」という表現が一番相応しかった
着信音の音
こんなタイミングでユノの携帯が鳴り出す
おそらくあの電話だ.....
正直もう僕の中では
電話の事なんてどうでも良くなっていた
誰とどうであろうと僕にとってのユノはユノ
世界で一番愛しい人が今ここにいて
僕の隣で幸せそうに笑っている
それだけでいいと思った
ユノとこれからもずっと一緒にいたい
ただそれだけが自分の望みだと気づいたから
ユノはリュックから携帯を取り出しすぐに電源を切ると
そのままポイっとリュックの中に放った
「あ...
ヒョン、電話...出なくていいんですか?」
「うん
今はチャンミナとだけ話していたいから」
ちゃんと....あの事言わなきゃ...
謝らなきゃ....
「ヒョンごめんなさい」
「ん?どうしたのチャンミナ?なに??」
「僕....
ヒョンの携帯...盗み聞きしました..
ヒョンがいない時にかかってきた電話に...僕出たんです
本当に...本当にごめんなさい!」
僕は頭を深く下げて心からユノに謝った
人の電話を盗み聞きしたなんて
きっと軽蔑されるかもしれない
ユノの僕のことを見る目が変わってしまうかもしれない
それでもやっぱり
嘘をついているのは嫌だった
「電話?誰が出た?」
「.......あの....
.....おんなのひとが.....」
「おんな?....
あぁ~!!
アイツかぁ~~」
「本当にごめんなさい...
僕、どうしても気になって...
ヒョンの大事な人かもしれないのに勝手なことしちゃって...」
泣きそうな顔で背中を丸め
肩を落として必死で謝る僕を見て
ユノは優しい瞳をして下から僕の顔を覗き込む
「俺への電話
そんなに気になったの?」
「うん.....
僕最低ですよね...」
「そっか
心配させちゃってたんだな...
...ごめんな
電話は従兄弟からだ」
「え?いとこ?ですか?」
「うん
最近、長く付き合ってた男にふられてね」
「え....そんな....
.....そうだったんだ............」
僕は......
僕はとんでもない勘違いをしていた
何度もかかってきたあの電話
電話の向こうでオッパ早く帰ってきてと
泣きじゃくっていたあの女性はユノの従兄弟だったなんて
「アイツのとこと、うちは家族が仲良くてさ
ジヘとは親友みたいな関係だし
子供の時から俺はアイツの相談役っていうか
本当のアニキみたいな存在に思ってくれてるから
俺も放っておけなくてね」
「はい」
「アイツさ...
普段気が強いくせにこういう時脆いというかさ
ふられたのも初めてだから
どうしていいか分からないんだろうな多分」
「泣いてましたよね.....」
「うん
心細くて俺にすぐにでも会いたかったみたいだけど
こういう事はさ...
最終的には自分自身で乗り越えないとな」
「ヒョン....
僕にもそのこと話してくれたら良かったのに....」
「チャンミナには関係ない事だし
それに心配になってせっかくの旅行楽しめなくなるだろ?
だから言う気は全くなかった」
「そんな....」
「でも、結局不安にさせちゃってたんだな....
気づいてあげられなくて悪かったなチャンミナ」
「そんな...
そんな事言わないでください!」
「チャンミナ....」
「関係ないなんて.....
関係ないなんて言わないでよ....
ヒョンの大事な家族のことじゃないですか...
僕だって....何も出来ないかもしれないけど
一緒に心配したり......
話してほしいです....」
ユノは目をぱちくりさせて一度閉じ
また目を開くとじっと僕を見詰めた
「分かった
今度から必ずそうするよ....
ありがとうチャンミナ」
いつも冷静ぶってる僕だけど
僕はもしかしたら実は物凄く独占欲が強くて
好きな人のことを干渉してしまう
嫉妬深いやつなのかもしれない
ユノも僕のこんな意外な面を見てしまって少し驚いているようだ
そして僕は覚悟を決めて
更に核心に触れてみる
つづく
愛のポチポチいつもありがとうございます!
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いつも読んでくれてありがとうごじゃいます<(_ _)>
ようやく電話の相手が誰なのか判明^^;;
いとこでしたね。あぁ良かった~
しかしこの電話のおかげで
チャンミンの本質的な心に火がついたともいえるので
まずは気持ちを確認する上でも必要な試練だったかもしれないですね^^